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【骨抜のコツ】 角度を見極めて骨抜き名人になる

せっかくキレイに3枚おろしにできたのに血合い骨を抜いたら身がグズグズに崩れてしまったという経験はないだろうか。

“頭側に向かって斜め上方向に引きぬく“

というのが定番の教わり方。

しかし教わった通りやっているのに上手く抜けない。何度もくり返すうちに骨抜きを握る手に力が入り、はさんだ骨の先端がプツリと切れて身の中に入り込み、その骨を探しているうちに身がボロボロになってくる。

こんなイライラがイヤで、血合いごと骨を切り落とすことが多かった。

とはいえ刺身用に大きめの柵がほしいとか、切り身で使いたいとか、イヤでも骨をぬかねばいけないこともある 

そんな時は2つの事を頭に入れておくことをおすすめする。


① 骨の角度を頭に入れておく

血合い骨の角度を頭に入れてからぬいてみてほしい。

写真の黒鯛を例にとると、骨は斜めになっているが、角度に微妙な違いがある。骨の角度に合わせて引き抜けば、比較的スムーズに抜ける。


血合い骨のキワを切り落として観察
微妙にそれぞれ違う

“頭側に向かって斜め上方向に引きぬく“

のではなく

“一本一本の骨の角度にあわせて引きぬく”

とても単純な事だが、意外と盲点。

プロの料理人はおそらく無意識にやっているため、それを教えてくれる人はいないように思う。

細かく見てみると頭側と尾側は倒れ気味。
中心近くなるにつれ上に向いて
いる

さらに骨により湾曲しているものは、まな板に接している部分と上の方で角度が違うものもある。

どちらの角度に引くか迷うところだが、これはまな板と接する骨の角度にあわせるのが正解のようだ。

↓実際に抜いている動画はこちら
【ここだけみたい】【30秒でわかる】鯛の骨抜き

この方法、実際は骨の角度を見て抜けないのが難点だが、頭の中にこの画があれば、ちょっと角度をつけて抜いてみようかな、など想像する事ができる。

うまく角度があったときは、驚くほどあっさりとぬける。

同じ力を入れているのにほんの少し角度を変えるだけで簡単に抜けるのは何とも気持ちがよい体験。

※魚種、骨の形、鮮度により当てはまらない事もあります。

② 身のスジをガイドにする

それに加え、目安にしてるのが身のスジの角度をガイドにしてぬく方法。

これなら骨が見えなくても比較的わかりやすい。

血合い骨は身と身の間にある。
(そもそも骨の周りに身がついているので、当然と言えば当然の話ではある。)

なので、その身と身にはさまった骨を抜く、と考えると、スジのつき方を見ればどのように骨がついているかも何となく予想がつく。

スジを手前側からたどって、その延長線上に向かって骨を引くと、高確率でぬける。

※魚種、骨の形、鮮度により当てはまらない事もあります。

血合い骨のぬき方のまとめ

・頭側は斜め40度くらい。中央に近づくほどに角度を上げ、尾に向かってまた角度を下げていく。
・身のスジの方向をガイドにする。
・力は入れずにほんの少しずつ角度を変えてひいてみる。

そのほかの基本的なポイント

・骨抜きは力を入れずに骨を軽くつまんで引く。
・骨抜きを持っていない手の人差し指と中指で、骨を挟むような形で身を押さえながらひくと身がボロボロになりにくい。
・どうしても抜けなかったり、骨が切れてしまった時は骨の両側からV字に切り込みを入れてから抜く。


以上、骨抜きのコツでした。

自分自身、苦手だった骨抜き。

この法則を取り入れてからはラクになりました。さらには色々な魚で検証してみるのも楽しみのひとつに。

さばく頻度の高いお魚の骨の角度を頭に入れておけば初心者の方でも、高価な骨抜きがなくても大丈夫。

他にも、イサキ、大きめのアジなど形の似たお魚で試してみてください。