ラッコさんと迷子のカメさん🐢

眠りの海をプカプカと
ラッコさんは、航行中。

懐かしいお尻のつつきに
ラッコさんは、海に顔をつけた。

小さなカメさんが一生懸命泳いでいた。
ラッコさんの体に気がつくと、
お腹の上に飛び乗ってきた。

🐢『こんばんわ。よいピンクの空ですね。』
 『こんばんわ、何処に向かっているんだい。』

カメさんは、遠くに光る月を指さした。
🐢『光る流木を目指してます。』

ラッコさんは、海藻の切れ端を
カメさんに上げました。

 『素敵なところだといいね。』

カメさんは、ゆっくりとお辞儀して
ラッコさんのお腹から海の中へと飛び込んだ。

沈み行く綺麗な月が
小さなカメさんの背を照らしていた。