真夜中に 高山なおみの神戸だより
暗い空気の狭間を縫うように、ゆっくりと大きく肺を膨らませては小さく萎ませるを繰り返した。そうすると全身へ酸素の供給が澱みなく行われそうな気がする。これは私の勝手な思い込みで医学的根拠があるのかは解らないけれど、深呼吸を繰り返すと、いつの間にか冷え切った手足の末端がジンジンと音を鳴らせて温かくなるから、不思議だ。人体は丁寧に大切に扱うと必ず返答してくれるんだなと思う。ぽかぽかした身体は、どうやら覚醒したらしく、いつまで経っても睡眠がやってこないので、一層のこと起きてしまおうと、