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どちらを選べと言われても


(トップ画像は東京マルイサイトより)
陸上自衛隊の個人装備に絶対に欠かせないもの、それが89式小銃だ。その名の通り、正式に採用されたのは平成元年なので、昭和の自衛隊を断片的に知る私にとっては「新しい銃」だが、今はもう令和の時代。昨年暮れに次期小銃の採用について正式なアナウンスがあったので

その内89式から新小銃に更新されていくのだろうが、それでも平成元年から31年の長きにわたって「自衛隊個人装備の主力武器」として君臨し続けたことも事実。それだけに2年前に東京マルイからリリースされたガスブローバックモデルには、正直グラッときた。それまで「弾が出る」ことを理由に遠ざけていたエアガンの世界に、遂に脚を踏み込むことになったと感じた。ただひとり暮らしをしているとはいえ、自宅兼事務所で人の出入りもある関係上保管場所(という名の隠し場所)を確保しないと買えないという問題、また買ったとしてそれを撃つ場所があるのか?とか、そもそもこんな危ないもの(!)を買ったら自分がどうなるのかがこわくてしばらくは横目で見る状態が続いた。そうこうしている内に

仕事の関係でコレを扱わなくてはいけなくなり、ほんの数時間だけ現物に触れることができたのだが、他国の銃とは異なる日本独特の仕様は姿形に「やられた」(おかしくなった)。何と言えばいいのだろう、もう明らかに自分の中の何かに「火が付いた」のだ。その勢いで買ってしまえば良かったのだが、モデルガン蒐集の頃には「長物には手を出さない」と決めていたのだが、コレは別、という妙な自分ルールを決めたのもこのときだった。だがしかし大変困ったことに

こんなものまでリリースされたからたまらない。以後悶々と「どちらを買えばいいのか」をずーーーっと悩んでいる。あまりに悩ましいので一度に両方買うことも一瞬だけ考えたのだが、それをやるとさらに泥沼にはまりそうな気がして、やめた。そういえば、軍刀を買う前の父は火縄銃のおもちゃ(ディスプレイ)を買って床の間に飾っていた時期があり(軍刀がやってきてからは部屋の片隅に追いやられてしまったが)さりげなく「幼年学校や士官学校で銃を触る機会はあったのか?」と聞いたことがある。どんな答えだったのか正確には覚えていないが、そのとき父は「軍隊で一番カッコイイのは騎兵だ」と言っていたことだけは覚えている。そのためなのか何なのか、戦後大学で馬術部に入ったり、乗馬のための馬を飼ったりとよくもまぁあれだけ好き放題したなと呆れているのだが

こんなものの存在をもし知ったら欲しがるのかな?などと考えてしまった。いやしかし、この時代はボルトアクションで弾を撃って本当に戦ができていたんだろうか。その時代にいなかった人間には想像も付かない世界だ。

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