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LOVE ME TenDER,Condors

コンドルズの舞台をみると、私はいったい何に心を動かされているのか分らなくなる。目の前の舞台では、年齢もバラバラな個性豊かなダンサーたちが踊っていて、その人たちは少し髪の毛が薄かったり、ちょっとお腹がでてたり、ちっちゃいひとがいたり、キレキレのダンスをする人がいたり様々だ。

公演中、ホール全体に漂う全てのものが、こちらに迫ってきて懐かしい感情を抱かせたり、勇気をもらったり、感動したりする。ダンサーはそれぞれの個性に合った動きで踊っていて、じっくり見ているととても面白い。以前テレビでサッカーの解説者が、初心者が試合を見るときにルールが解らなくても、一人の動きを見ていると、その人の個性がわかって面白いと言っていた。コンドルズを見るときもまさにそんな感じで、楽しめる。音にしっかり合っている人がいれば、ちょっと遅いひと。動きが大きいけど、ちょっとカチカチしてる人、表情がよく動くひと、いろいろいる。見る場所が沢山あって、生ものという感じがする。見てる側まで伝わるハプニングもあったり、それも笑いに変わったりして、「完璧に作られたもの」ではなく、その場にいる今だから観られるものになっている。

後半にさしかかったあたりに、何故か泣きそうになる時がある。それは、悲しい表現をしているからではないのだが、おじさんダンサーたちの様々な経験があっての含みのあるダンスに感動しているのか、大の大人が純粋に面白いと思うものをやっていることに感動しているのかはよくわからないが、前回観たときもそうだった。

大人になると、どこか折り合いをつけて生きることもある。諦めなのか、なんなのか。なんか、そんなことを感じる舞台だった。