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こっちみて

ここまでの強烈な自意識が芽生えたきっかけは
どこにあるのだろうと考えた


子供の頃、黄色の校帽が嫌でどうしても被りたくなかった香那少女はそれをハサミで切り刻み、
遠足に被って行かない理由を無理やり生産したところ
VS激怖担任教師がそのことに怒り散らかし、小さき香那少女は教室の大きな黒板の前に立たされ、なぜかクラスメイトたちに涙の謝罪をした記憶や

電車の中やデパート、沢山の人がいる中で身近な大人に大きな声で怒られて、見ず知らずの人様に注目された記憶が結びつくのではないでしょうか

この尊くて脆い自意識は、感情で膨らんだ大人たちを前にして芽生えたものなのかも知れません

そうしていつのまにやら完成した自意識炸裂ガールは、大きな自己表現の一歩として原宿で購入したロリータやゴスロリの衣装を身に纏い、地元のイオンモール内を練り歩いたものです

それらの事柄全てが私の栄養分となったのか
あるいは最も理想的な人格形成過程の妨害に繋がったのか、今となっては分かりません


自分に自信がないなどと嘆けば必ずや「自分に自信のない奴が表に出る仕事できないでしょ」って"これはペンです"の定型分くらい新鮮味のないお言葉を頂くのですが、正直たまったもんじゃありません
残念ながら
私はあなたのようにはなれません

願わくば他の誰かになりたいと願ったところで、選ぶ権利すら与えられず、わがままファッションガールズモードみたいに理想の身体や顔面を手作りすることもできません
それならせめても違う誰かとして、なりたかったあの子を脳内に召喚して擬似的に他の誰かの人生を生きていた方が、優しく薄れていくものってあるんです。

そうやって選べるところを選んで
変えられないもの、ましにしていくんです


そこからじゃ見えない私を嫌いにならないで
見てないものを信じないで
私はずっとここで戸惑いながら
読めない活字
物語の意味
精一杯手探りしては
大好きな世界でお仕事をしています




















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