最近やったゲームの感想:Victoria3


 それが趣味であるという単純な理由で私はゲームをよくやる。ハードゲーマーという程でも無いが気になる開発会社やシリーズやジャンルのゲームをセールでも無いのに衝動買いし、時には積んだり何かの拍子に一週間ぶっ通しでやったりする。

 正直な所としては趣味に何か高尚な物を求める必要は無いと思いつつも、そうやってゲームをやっているともっと生産的な事ができるのではないかと考えたりするのもゲーマーあるあるではないかと勝手に思っている。とりあえず感想でもさっと書いておけばタイピングの練習ぐらいにはなるかもしれない。そういう理由で今この文章を書いている。

良い所:結局はいつもの「パラドゲー」

 Victoria3の開発元であるParadox Development Studioが出すゲームが俗にパラドゲーと呼ばれているのは知っている人も増えてきているのではないかと思う。歴史上の特定の時代に注目し、インターフェイス等共通の基本的な部分とその時代に合ったシステムを組み合わせて作られるゲーム群の事だ。これについて詳しくは述べない。

 結論から言ってしまうと見出しの通りVictoria3も期待通りのパラドゲーと言った感じだった。産業革命を経て経済の爆発的な発展と世界の一体化がますます促進し、いち早く工業化を成し遂げた国々が列強と呼ばれて世界を切り分ける時代の雰囲気を上手く表現していると思った。誰もが入れ込みがちな戦争部分をバッサリと簡略化し、経済と外交に注力したシステムを組んだ部分などはまさにそうで、基本方針が正しいと思えるだけに今後のアップデートに十分期待が持てる。アップデートには。

悪い所:欠点も「パラドゲー」

 問題もやはりパラドゲーである事で、つまりゲーム発売から丁度一ヶ月の段階では基本方針しか正しくない

 ゲームが進んでくると激重になりメモリを10GBも食った挙げ句クラッシュするという大前提の問題。初の発売時点からの日本語公式ローカライズに伴いアフリカに発生した江戸民族、飾り細工工房と言った翻訳ミスは有志が勝手にMODで修正を始めている(公式ローカライズとは?)。経済はAIがお粗末なせいで産業を発展させられずプレイヤー国家から無限に物資を輸入しようとするせいで飢餓輸出めいた物を無理やり強いられる。お互いに外交事案について味方を引き入れあったり要求を追加したり取り下げたりという見た目は面白そうな外交システムも何か変だ。米墨戦争が全く発生せず5年ごとに外交プレイでちびちびメキシコから州を奪っていくアメリカがそこには居る。

 総じてパラドゲーで無ければ「ああ、Steamに良くあるちょっと面白いけど惜しい感じのゲームだったか……」と思ってしまう所だった。少なくとも発売時点のVictoria3はそんな感じだ。

 立地にある程度左右はされるものの、実業家を育てて地主を抹殺し、輸入など考えず原材料から加工品まで全て自国経済圏で賄うというプレイにどの国でもなりがちな点もそうだ。コアなシミュレーションゲーマーは弱小国からそうして列強に至るまでの過程も十分楽しめるのだろうが、私はもっぱらEU4は大国でプレイする派なのだ。もうちょっと自然に楽しめる何かが欲しい。

結論:まあでもこの段階で結論は出せない

少なくとも最近のパラドゲーには発売後もアップデートをひたすら繰り返すという特徴がある。先程言及したEU4、Europa Universalis4は発売から9年経つがまだアップデートが終わる気配がなく、バージョンは1.34になった。34回大型アップデートされているのだ。もしかしてこのゲームはMMOか何かだったのかな?と勘違いしてしまいそうになる。

内容もかなり徹底的な物になる事が多く、例えば未来の宇宙進出時代を扱ったStellarisなどは基本的な移動システムや惑星開発部分がまるで別物になってしまった。昔の方が単純で楽だった……という思いもない訳ではないが、総じて面白く奥深い方向に進化していると思う。定期的に今後の方針について開発日誌も出すし(ありがたい事に日本語翻訳してくれる方がいる)、フォーラムでのユーザーとの交流も少なくとも国内メーカーよりは積極的にする企業風土でもある。そして直近の開発日誌を見る限りでは問題点について開発元はちゃんと把握しているように見える。

 だからまあそのうち神ゲーになるんじゃないかな?というのが希望的観測も含めた今のVictoria3に対する感想だ。元々パラドゲーといえばアップデートかDLCが出たタイミングにガーッと遊んでまた寝かせる、という風になりがちだし、まだ外国のゲームではお馴染み有志作成のMODも鋭意制作中と言った感じだ。初動でコケて結局カムバック出来ていないImperator:Romeの様な例もあるので絶対とは言い切れないが、最初に述べた通りこのゲームの基本方針自体は多分正しい。ならそれを時間をかけて突き詰めてくれれば良い。

 もしこのゲームを買うか悩んでいる人が居たら、悩んでいる時点で今買うべきではない。セールを待つべきだ。逆に言えばセールを待って買う価値は期待値も含めれば十分ある。

 とりあえず発売直後にわりと遊んだし、私は別のゲームをやる事にする。クソゲーか神ゲーかの結論は10年後ぐらいに出そう。でもできればEU4みたいにDLCの総額50kとかそういうのはやめてね。出されたら結局買ってしまうのだけども……


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