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20201227緑茶中のビタミンB12濃度に与えるアスコルビン酸の影響 橘高(桂) 博美

 

急須を用いて乾燥茶葉から抽出された緑茶抽出液中のビタミンB_<12>濃度は849±35pg/100ml,缶入りおよびペットボトル入り緑茶飲料5種の平均濃度は280±45pg/100mlであり,急須で入れた場合の方が3倍高い結果となった。

ビタミンB_<12>が後者で低かった理由として製造工程中にアスコルビン酸が添加されたためである可能性が考えられる。

アスコルビン酸はビタミンB_<12>と共存する場合にビタミンB_<12>を分解することが既に報告されている。そこでアスコルビン酸を測定したところ,急須による緑茶抽出液5.87±0.66m/100ml,缶入りおよびペットボトル入り緑茶飲料5種の平均濃度は35.22±8.27mg/100mlであり,後者が前者の6倍の値であった。
アスコルビン酸の添加によってビタミンB_<12>濃度が影響を受けるのかを検討するために,急須を用いた抽出の際にアスコルビン酸を添加し,ビタミンB_<12>濃度への影響を確認した。

しかし,その影響は,緑茶抽出液のビタミンB_<12>濃度の7%の減少に留まっていた(緑茶飲料では67%減少していた)。さらにアスコルビン酸添加後の加圧加熱(120℃)の影響も調べたが,影響は見られなかった。これらの結果から,極めて微量ながらも緑茶からビタミンB_<12>が摂取できる可能性が示され,それは緑茶飲料より急須で乾燥茶葉から抽出した場合の方がより効率がよいことが示された。

京都女子大学食物学会誌 (61), 1-5, 2006-12B12より

喜多重左衛門の記憶によると、南山城のお茶にはB12含有という報告論文を見たことが記憶にあります。ただ、七訂食品分析にも0としか記載されていません。この論文には、はっきりとした結果が記載されており、水溶性ビタミンはごく微量でも、吸収が良いのでビーガン・べジタリアン食の方にも朗報であります。さらなる研究結果がわかりましたら、報告をさしていただきますが、ほかにもいろんな面で新鮮なる緑茶はヘルシーです。喜多重左衛門

宇治茶師の末裔です。私も緑茶の広報を世界に発信しています。喫茶道・喜多重左衛門として、日本人の身近にある緑茶の偉大なる効能を再発見中です。地球にも優しい有機宇治抹茶を推奨しています。よろしくお願いします。