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カスサミットを開催しました!

皆さんこんにちは!SEE THE SUNでは「カスサミット」を3月17日に開催しました。僕もSEE THE SUNの一員として参加したので、今回はその感想やそこで学んだことを発信しようと思います。

参加の経緯

大学も春休みに入り忙しさも落ち着いたところで、僕は研究者の方にインタビューできる機会を探していました。そんな中で森永製菓の研究所のホームページを調べていると甘酒に関する紹介が!実家では酒粕の甘酒と米麹の甘酒の両方を飲んでいた僕。甘酒には興味がありました。

甘酒です

さっそく金丸さんに「この甘酒の研究に関わった方にインタビューしたいことを伝えました。すると「カスサミットに出れば甘酒のこと聞けるよ」との返信をもらいました。しかも甘酒や酒粕だけでなく、ホエイのお話まで聞けるとのこと。
これは参加するしかないと思い、迷わず参加を決めます。そんなこんなでカスサミットに参加することになった僕ですが、当日は運営のお手伝いをしながらの参加となりました。そのため、もしかすると聞き逃している部分もあるかもしれませんがご容赦ください…

カスサミットとは

まずはカスサミットについて簡単にご説明します。SEE THE SUN TABLE のホームページによればカスサミットとは「普段陽の目をみない縁の下の力持ちたちが集まって行うサミット」のことです。今回は記念すべき第一回ということで、酒粕とホエイが参加となりました。普段はあまり意識しないけれど、実は僕たちの生活の陰でパワフルに頑張っている酒粕とホエイについてたくさんのことが知れました。
それでは以下で当日に知ったことや感じたことをまとめていきます!

酒粕とホエイについての説明

まずはカスキング・渡部さんとカスクイーン・白庄司さんによる酒粕とホエイについて説明です。なんとなくでは知っていた酒粕とホエイについて詳しく教えてもらいます。酒粕とはもろみを絞って日本酒を作る工程で出てくる白い固形物とのこと。一方のホエイは乳から乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液とのことでした。
両者とも「必要なものを得た後の残り」と考えられてしまうことが多いですが、お二方によればそれは違います!カスサミットに参加はしていますが、酒粕もホエイもカスじゃありません!!
両者ともに健康や美容に大きな効果があることを教えていただきました。素晴らしい働きを知るとカスなんて言えませんね。

参加者の皆さんが時折うなずきながら真剣なまなざしでお話を聞いていたのが印象に残っています。そんな中でも特に甘酒が美容に効果があるとのお話では、会場の皆さんの目が渡部さんの綺麗なお肌にくぎ付けに!酒粕の美容効果ってすごいです。

このパートの最後には酒粕とホエイ、それぞれの弱点を明かすことに。キングもクイーンも「弱点は言いたくないけれど…」と言いつつ教えてくれました。酒粕の弱点はアルコールを微量ながら含んでしまうことだそうです。アルコールのせいで子供やアルコールの苦手な方などに避けられてしまいがちなのを悔しそうに語るキング…酒粕だからこその悩みです。一方のホエイの弱点は取り出すまでにかかる労力がとても大きいこと。ホエイを利用できる形で取り出すにはたくさんの機械が必要で、小さな牧場などで準備するのは難しいとのことでした。これからこの課題たちが解決されてほしいですね。

最後は2人でハグ!

精進料理の軽食

こうして酒粕とホエイについて教えていただいたところで軽食をとります。今回の軽食は精進料理となっており、今まで精進料理を食べたことのなかった僕は興味津々です。料理を作ってくださったのはG7広島サミットでも料理をふるまった青江住職!

実際に出された料理の写真がこちらです。

精進料理です

食材を無駄にしない精神のもと、野菜の皮やヘタまで利用した料理となっています

青江住職とのお話

ご飯を食べた後は青江住職から精進料理について説明いただきました。一見似ているように見えるビーガンの野菜のみの食事と精進料理との違いや、精進料理を作る際の心構えなどとても興味深かったです。酒粕やホエイと精進料理との接点も語っていただき、とても素敵な時間でした。
自分が特に面白いと思ったのは「淡味」のお話です。精進料理では素材本来の味を活かすことを重視します。その際にキーワードとなるのが淡味です。素材本来の味を生かした味付けこそが淡味だそうです。
実際に出された精進料理でも、せりご飯は優しい味付けでせりの香りがふんわり香るものでした。日頃味の濃いものを食べがちな僕にとってはほっとできる味でとてもおいしかったです。

右がせりご飯です

質疑応答では「日常生活に精進料理を取り入れるにはどうすればいいの?」との質問が。青江住職からは「野菜を切った際にでる皮をすぐ捨てるのではなく、いったんバットにあげるのがおすすめです。そうすると皮などをゴミと考えず、料理の素材として生かそうと思えます」との回答をいただきました。食材を最後まで無駄にせず使い切るために考え方を変えればいいとのことで、自分もぜひ実践しようと思いました!

3人からのお話をいただきました

実際の酒粕と今後の展望

最後には実際に酒粕を食べたり、酒粕の今後の展望について話して終わりました。
今回のカスサミットではたくさんの酒粕が準備されており、参加者の皆さんも興味津々!特に熟成された酒粕はカカオのような深みがありとても驚きました!酒粕があんな味になるなんて想像できませんでした。皆さんも機会があればぜひ召し上がってみてください。

酒粕にも色々あります

今後の展望として語られたのは酒粕のグローバル化です。日本に古くからある酒粕ですが、海外の方には未だに認知されていないのが現状とのこと。これからは酒粕も海を渡りワールドワイドな活躍をする未来が期待されます。日本酒が海外でも「Sake」として親しまれるように、酒粕もいつか「Sake lees」や「Sake kasu」として愛される日が来ますように!

サイエンスコミュニケーション研究員として

今回のカスサミットでは運営のお手伝いをすると同時に、サイエンスコミュニケーション研究員も立場から「食の科学」と「社会」とを繋ぐ方法としてのカスサミットに思いを巡らせていました。

運営のお手伝いをしました

自分の興味

僕が特に興味のある科学分野は宇宙や物理、数学などです。これらの分野は生活の中で触れる機会が少ないため、これらの科学と社会とをつなぐのは難しいと考えています。日常生活の様々なところで役立っている数学や物理ですが、どのように役立っているか知っている人はあまりいないですよね。
日常に存在している実感がないと、どうしても科学へのイメージを膨らませることが出来ません。すると「数学とか物理めっちゃ素敵ですよ!」と伝えたところで、「ふ~ん。そーなんだ」と流されてしまいます。ちょっぴり悲しいですね。
このように「科学と社会繋ぎたいけど、日常に溶け込んでない科学の良さを伝えるのは難しいなぁ…」と思っている中でのカスサミット参加となりました。

食という科学

発酵や分離、醸造などたくさんの科学によって僕らの食は支えられています。僕たちの生活の根幹にある「食」。これにまつわる科学はまさに「日常に溶け込んでいる」科学です。これらの科学はもちろん知っていたけれど、恥ずかしながらあまり触れてきませんでした。そんな中で今まであまり知らなかった「食」という日常に溶け込んでいる科学が、参加者の皆さんとのコミュニケーションの中でどんな風に輝くのかとても楽しみでした。

カスサミットに参加して

結論から述べると食にまつわる科学の凄さを感じました。毎日の生活の中で意識する機会が多い食に関しては、やはり参加者の皆さんの強い関心を感じました。ここまでの興味を引き付けるのは毎日の生活に直結するからだと思います。日常から遠いと思われている物理や数学ではこうなってないんだろうなと思います…
今回知ったことをどうやって日々の食に活かすかなど、皆さん主体的に質問していたことが印象に残っています。やはり日頃から触れているものには興味が湧き聞きたいことが思い浮かびますもんね
さらには今回のカスサミットでは、酒粕を実際に見たり食べたりできたことがとても良いと感じました。僕自身味覚を始めとして触覚や嗅覚を活かし、酒粕に触れたことでより距離感が縮まったように思います。
サイエンスコミュニケーションの際には体験が重要とされています。カスサミットではまさに酒粕を食べる体験を提供したことで実りあるものになったと感じました。

積極的な質問がありました

振り返って

毎日必要な食だからこそ質問が活発に投げかけられたことと、酒粕について実際に体験できたことがカスサミット成功の要因だったように思います。参加者の皆さんと酒粕やホエイに対しての距離感はぐっと縮まったことでしょう。
今回学んだことを活かして「日常に溶け込んでいない」科学をどのように知ってもらうか考えたいと思います!!

まとめ

酒粕とホエイさらには精進料理にいたるまで普段の食の陰に隠れているけれど実はパワフルな食材たちに気づくことが出来た一日となりました。今後の生活の中でも意識していければと思います!
さらに、気になったけれど聞き逃してしまったこと等まだまだ聞きたいことがいっぱいあります。もしかすると今回の縁からインタビューにつながるかもしれません。お楽しみに!

また自分が興味のあるサイエンスコミュニケーションについても、今まであまり触れてこなかった「食の科学」の面から触れることで新たな気づきアがありました。これを大切にまた頑張っていきます!

今日の記事はこんなところで筆をおこうと思います。カスサミット、とても素敵なサミットでした。皆さんもぜひ酒粕やホエイに親しんであげてください!

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