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ちょっと聞いて~-母と向き合う私のものがたり-

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認知症が進む実母と奮闘する毎日。 幼い頃は憧れだった母の姿。老いてゆくことは当たり前のこと。いつかは来ると覚悟はできていたつもり。私もゆく道なのだから。怒りたくない、理解してあげ…
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#散らかった部屋

NO.9『事件①“散らかった部屋…”part3』

前々回からの続き。ちょっと聞いて~ へっぽこ娘 翌日、何事もなかったかのように朝を迎えた。昨日のことを母はどのように思っているだろうか。忘れているのだろうかと思ったが、少し衝撃的な事件だったので、母と話すときもそのことには触れないでおこうと思い、私は腫れ物にさわるかのような優しい言葉かけを意識した。母はいつもと変わらない様子で起きてきたが、会話の中でふと思い出したように「あの人にお詫びにいかなきゃ」と昨日お世話になったおばちゃんのことを言ったので、覚えているんだなと思った

NO.9『事件①“散らかった部屋…”part2』

前回の続き。ちょっと聞いて~ へっぽこ娘 その人は民生委員さんを長年されていた方で、現在もお年寄りが日中遊びに来るようなサロンでボランティアをされている。あの人なら何か力になってくれるかもしれないと思い、嫌がる母を引きずるようにそのお宅まで連れていった。玄関に出てきてくれたおばちゃんに事情を話すと「あらお母さん、どうしたの?少し私とおしゃべりしようか?うちでお茶でも飲んで行かない?」と優しい言葉をかけてくれた。その言葉に私自身が癒され、すごく救われた気持ちになったが、母は