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「仕事の話」木村俊介

社内で続けて2件権利関係のトラブルがあったので、弁理士事務所へ相談に行ってみた。上の人たちは「滅多にないことだし、事故だと思って」と言っていたけど(おおらかである…)そもそも契約書になにか問題があるのではないかしら、と思ったのだ。
私が勤める会社はデザイン事務所なので、著作権をはじめとする知財関連についてのトラブルは当然出てくるのだけど、法律って本当に難しくて、何度勉強会やセミナーに出ても分からない。「クイズ!このデザインはパクリでしょうか」なんて、正解しても理由が分からない。サノケンさんが黒か白かなんて、議論もできない(弁理士さんもあれは分からないわね、と言っていた。それにしても、あんなに叩かなくても…と思う)

丁寧に教えてもらった法律の知識はすごく勉強になったが、弁理士さんが言った「契約書を交わす前に話し合ってください。お互いがまず信頼をして、だから一緒に仕事をしましょうということになって、それからの契約書なんです」という言葉にはっとした。当たり前のことだけど、そういうことを言う人はいままで話した弁理士さんにいなかった。仕事とれた→契約書を準備しながら仕事も進めていかないと入稿が間に合わない、というのが現実としても多いのだ。そして契約書を結ぶのは営業だから、制作側は、契約書をほぼ見ていない。
どういう文言で自社を守るか、それは大事ですが、と弁理士さんは言った。「ここで著作者人格権の話を出して過去の判例をさらえば、争ったとき勝てるかもしれません。でも、そもそも法律の話を出さないで済むようにしていきましょうと私はみなさんにお伝えしています。ビジネスで長くつきあっていける関係を築くにはどうしたらいいのか。契約書の文言より、御社のスタンスがまず大事です」

な る ほ ど…!
自分とちがう仕事、ちがう視点の人から聞く仕事の話って、ほんとうに面白い。仕事の話が面白い人って絶対仕事できる。弁理士さんの話、コレを読んだときと似た気持ちになった。


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