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読書会@パパスカフェ新宿 「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」花田菜々子

読書会メンバー・ユリちゃんの推薦本を課題図書に行われた秋深し読書会。

場所は、新宿タカシマヤタイムズスクエアのなかにある「パパスカフェ」です。天井がとても高くて(3〜4階分吹き抜けている)気持ちよく、1年の350日くらい新宿にいた頃はよく行っていました。ティーラテと、カマンベールチーズを挟んだサンドイッチがおいしいです!

このメンバーの好きなところって、たとえば予約ができない人気店での待ち合わせなどは「私一番近いから早く行って並ぶよ」などを自然と全員がやるところです。そして本の感想や自分の考え方については、相手と合わなくてもはっきり自分の意見を言うところ。終わったあと「私ちょっと寄るとこあるんでじゃあねー」とさっと解散するところも素敵です。

さてこの本、概要をネットで見てまず思ったことは「この作者の方、花田さんと私は違う世界の人だ」でした。もっと端的にいうと「合わないっぽい」。知らない人に出会い系サイトで会う(たぶん異業種交流的なサイトだと思いますが)行動力が怖い。もうそういう人お腹いっぱい。実際に読み進めても、本の好みなどもやはりどこか遠い方ではありました。しかしそれでもこの本は、日本で女性として生きる人が持つ共通の苦しみに触れる何かがあって「遠い人だから理解できない」とはならなかった。メンバー4人が心を動かされた(何かに気づいた)箇所もそれぞれにあり、昨日の読書会は、その人の心の傷みたいなものに触れるような会になった。

(ユミちゃん)「離婚して仕事を辞めてマッチングサイトで彼氏見つけたところ自分とかぶって共感したけど…途中でいい感じの男性と躊躇半端に恋愛っぽくなるところだけ、なんかカチンと来んねん。なんでやろ?」
(ミナちゃん)「こんなに沢山の人に会える行動力が羨ましい、出会い系はいやだけど、プロジェクトチームとか組んでなにかやりたい。ていうか私の人生って登場人物少なすぎる」
(ユリちゃん)「親の転勤で色々な場所を転々としたからか、何かが変わることに抵抗がない。会社とか好きなものが自分のアイデンティティってのが私にはない。弟もそう。ひとつの場所にい続ける理由が私たちにはない」

私はユリちゃんと真逆で、花田さんが、変わってしまった職場(ヴィレッジバンガード)に自分の居場所がない、それがアイデンティティを喪失する痛みだと気がついて泣くところにぐっと来た。私も文章を書くことを求められなかった前職場で居場所がなかったから。また花田さんの味方だった大好きなおじいちゃんが亡くなったときに実家に帰らずイベントを決行したところは「イベント延期して!通夜に行って!やっぱこの人合わないわ!」と思った。延期できなくもないその状況、私ならきっとおじいちゃんに会いに行くし(だって燃やされちゃうんだぜ)身近に彼女がいたらそう言ってしまうかもしれない。でもそんなこと私よりもずっと考えて悩んで彼女がイベントを決行することを選んだことにあとで気がついて後悔するだろう。家族に関しては冷静さを欠く自分に気がついた。

花田さんのツイートを見たら、想像と全然ちがうお顔でびっくりした。ということは声も全然ちがうんだろうな。顔を想像したのは、私はこういう感じの人たちと一緒にいた時期があったからだ。
若い頃、知人のサブカル&バンドマン系の人たち(すごくいい人たちだった)が、深い知識もないわたしをよく飲みに誘ってくれた。でも高円寺の居酒屋で、お酒とコアな話が深まるにつれてわたしは
「わたしは・ミスチルが・大好きでーーーーっす!最近感動した・映画は・タイタニックでーーーーっす!」と言いたくてたまらなかった。


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