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自己紹介にかえて座右の書を〜修身教授録

一般社団法人人間塾という、字面だけ見るとなんだか堅そうな、ヤバそうな感じのする読書会に月1回(不真面目なので2、3ヶ月スキップすること多々)参加している。

突然だが、私は何かを続けることがとても苦手だ。社会人になって20年以上経つのに仕事は長くて6年(短か!!)、習い事は小学校の時に初めたピアノ、サッカー、スイミングから大人になってかじった英会話、ジャズボーカル、香道、ウッドベースと最短で3ヶ月、長くても3年しか続かなかった。我ながらよくもこれだけ手を出してはあっけなくやめたものだと感心する。

そんな私が、この読書会にだけは足掛け7年参加し続けている。

この会では

『論語や老子などの東洋哲学、その薫陶を受けた森信三、安岡正篤などの書籍、さらには、アルフレッド・アドラー、サミュエル・スマイルズ、V.E.フランクルなどの西洋の心理学や「生き方」に関する書籍を課題図書(人間塾HPより)』

として、毎回お題について課題図書をふまえて話し合う。これまた、堅苦しくて難しそうだけれど、色んな方と話をすることで、とっつきにくそうな本も理解が深まる。人間塾に参加していなかったら、知らなかったり、難しそうだと思って手に取らなった本がほとんどだ。

自分では手に取らない本が読めること、色々な職種、年齢の方が参加しているので様々な意見が聞けて学びが深まること、そして読書会後の懇親会が楽しいことが(残念ながら現在はコロナの影響で懇親会はないが)休み休みでも続けられている理由だと思う。

課題図書は毎月変わるのだが、ここ数年、1月の課題図書は決まっている。それが、私の座右の書の1冊でもある、「修身教授録」だ。天王寺師範学校(現在の大阪教育大学)の講師であり修身科の授業を担当されていた、森信三先生の授業の記録である。

人としての在り方、生き方がわかりやすく書かれているが、哲学、キリスト教や論語などの思想が取り入れられているので、とても深い。読むたびに心に響く箇所が多くある。今年で読むのは4度目だったのだが、その度に付箋が増えていく。

その中から一つ、私の信念にもなっている『最善観』という考え方を紹介する。

オプティミズム、楽天主義のことだが、元々はライプニッツがとなえた説で、神はこの世界を最善に作っており、例え我々の眼から見て良くないこと、あるべきでないことが起きていても、それは神からすれば意味があるということだ。神と聞くとぴんとこないが、宇宙の秩序と補足がありすっと入ってきた。

それぞれの身に起きることは、それぞれにとって絶対必要であると共に最善であるという。物事にはすべて裏表があり、日向と日影がある。人生のことでプラスがあれば、必ず裏にはマイナスがあり、表にマイナスがでれば、裏はプラスであるということだ。

意図しないことが起きた時に、『最善観』で物事をとらえると、なにかしら見えるものがある。「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」という私の好きな言葉がある。10年ほど前までは気分で悲観主義的に考えることが多かった。本当に最善かどうかは誰にもわからない。ただ、少なくとも最善だと思うことで、わずかな希望が見えることがある。変化の多い時代だからこそ、この考え方はぜひ持っておくべきものだと思っている。



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