5月「グリスロがやってきた Yeah, Yeah, Yeah!!」の巻
島内の移動手段として、北木島に拠点を構えるNPO法人さんが導入したのが、グリーンスローモビリティ(略して「グリスロ」)。要はゴルフ場などで使われている電動カートですが、市からの補助も得て笠岡諸島を中心に運営されています。(画像はヤマハさんからお借りしました)
北木島では、地区内100円・他地区への移動も200円~(島内の65歳以上の方は無料)という料金設定なので、通院や郵便局などへの交通手段として利用する高齢者も多いです。ちなみに事前予約制。他に予約が入っていなければ、観光などで島外から来た人でも使えます。
ただこのグリスロ、2022年春の時点では毎日運行している状態ではありませんでした。特に火曜日・木曜日は、北木島金風呂地区の住民(特に交通弱者)にとって「他地区にある診療所への通院」という移動ニーズがあるにもかかわらず運休という、困ったスケジュールである状態が長く続いていました。
そこで流れを変えるべく立ち上がったのが、この春から北木西町内会長に就任した漁師のOさん。
「ワシが何とかしちゃる!!」
と、兄貴肌なOさんは市役所に掛け合い、北木西町内会名義で地区専用のグリスロを借り受けることに成功します。(短期間の試験レンタルという形。詳しくは笠岡市企画政策課のページにて)
運転を担当するのは、地区内の漁師さんや石屋さんたち。運転資格を得るべく、市役所の方たちによるレクチャーを受けます。
こうして有志たちによって運行されたグリスロは、運行空白地帯となっていた火曜日・木曜日の穴を埋め、地域の交通弱者となっていた高齢者さんたちにありがたがられる存在となったのでした。
と、ここまで書けば「めでたし、めでたし」なのですが、北木西町内会が独自に借り受けたグリスロが移動ニーズの存在を証明した結果、もともとグリスロ運行を手掛けていた島のNPO法人さんが火曜日・木曜日の運行も開始し、町内会が借り受けていたグリスロは市に返却という顛末になりました。
これ以上町内会名義で独自にグリスロを借りることもできなくなり、事業を引っ張った町内会長のOさんとしては、自分たちの出した結果を横取りされたような形になってしまいました。
火曜日・木曜日のグリスロ運行に対しては、北木西地区の住民から2年以上にわたって要望が出されており、長期放置されておきながらニーズが判明するやNPO法人さんが運行を引き継ぐ形となった件については、あちこち駆け回って運行の実現にこぎつけてくれたOさんの苦労を考えると、僕個人としては少し気の毒にも思えます。
ここから先は
かなふろ便り 2022年版
2022年に、北木西公民館および北木島金風呂地区で起こったイベントなどの記事をまとめています。 1年の振り返りに、また、島を離れてしまった…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?