『昨日星を探した言い訳』の感想
『昨日星を探した言い訳』を読み終えて、まず思い出したのが拝望会の場面でした。現実的に考えれば、そこには車椅子で通行する安全性などの問題や事前に参加連絡をしないという間違いがあります。それでも相手の価値観や我儘を型に当てはめて否定することや理屈ではなく感情を優先するといった理想的な美しさがありました。僕は読んでいて涙が滲みました。
そのように読めたのはそれまでの風景描写や心理描写が丁寧であったからだと思います。具体的には、橋本先生と坂口の会話や坂口と綿貫の会話などがあるでし