🌸3月雇用統計23.1万人増加、失業率3.5%に低下。NYダウ 33405+2、NASDAQ 12087+91、SP500 4105+15。

来週の東京株式市場は弱含みか。重要イベントが多く、神経質な展開が続きそうだ。12日に米3月消費者物価指数(CPI)、13日には米3月卸売物価指数(PPI)が発表される。今週末に発表された米3月雇用統計は概ね市場予想に一致する結果だったが、20万人を超える非農業部門雇用者数の増加、平均時給の前月比でのプラス傾向、失業率の低下などから、労働市場の逼迫解消のペースが緩慢であることが示唆された。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)(3月21-22日開催)で示された政策金利見通し(ドットチャート)から、利上げは残すところあと1回と予測されるが、米CPIとPPIがこうした見方を裏付ける内容となるかに注目だ。
一方、米クリーブランド連銀のメスター総裁や米セントルイス連銀のブラード総裁らは、金融システム不安が後退していることなどを理由に追加の利上げと、その後の高水準の金利据え置きを相次いで主張した。他方、金利先物市場は依然として2023年末までに0.25ポイントの利下げを2回以上予想している。こうした中、米物価指標が大きく上振れてしまうと、市場の織り込みが米連邦準備制度理事会(FRB)の予想に引っ張られる可能性がある。その場合、金融システム不安がくすぶる中での金融引き締め長期化による経済のハードランディング・リスクが高まり、FRBの政策ミスへの思惑が強まりやすくなりそうだ。
12日には前回FOMCの議事要旨も公表される。前回FOMCはハト派ともタカ派ともどちらにも捉えられる内容だったため、今回の議事要旨で追加のヒントを得ようと考える向きは少なくないだろう。FRBは銀行経営不安には規制政策で対応、インフレには金融政策で対応という形で割り切り姿勢がわりと明確な印象もあるため、利下げ転換ハードルは市場予想ほどには低くないとの見方が強まれば、株価にはマイナスと考えられる。
週末14日には米3月の小売売上高と鉱工業生産、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。株式市場は直近の米経済指標の弱さに神経質に反応しているため、これらの指標結果次第ではさらに景気悪化を織り込む動きが加速する可能性があり、週末まで警戒感がくすぶる。
また、週末にはJPモルガン・チェースやシティ・グループなどの米国銀行の決算が発表される。貸倒引当金がどれほど積み上げられるのか、各社経営陣の経済先行きに対するコメントなどに注目だ。ネガティブな色合いが強いと、その後に本格化していく日米主力企業の1―3月期決算に対する警戒感が高まり、リスクオフの展開になる恐れがある。


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