3/12(土)NY市場は続落【ハイテク株が安い、NASDAQ 32944-229、NYダウ 12843-286】

株式週間展望=ウクライナ危機続き上値重い―日経平均予想レンジ:2万4350-2万5750円
8:03 配信

モーニングスター

 今週の東京株式市場では日経平均株価が10日に1000円に迫る上げ幅で急反発したものの、11日は再び大幅安に沈んだ。ウクライナ危機をめぐって、ロシアの侵攻が長引く懸念が強まっている。鎮まらない地政学リスクは物価高を通じ、FRB(米連邦準備制度理事会)の一段のタカ派傾斜にもつながる。引き続き戻り売りの反応が意識される。

<FOMC前に持ち高調整の動きも>

 10日に行われたウクライナとロシアの外相会談は、停戦へ向けた成果を得られず物別れに終わった。ウクライナの首都キエフへの包囲網を狭めるロシア軍に対し、ウクライナ側も徹底抗戦の構えを崩していない。

 早期の戦争終結が見込みにくくなりつつある中で、コモディティー(商品)市況には再び上昇圧力が掛かっている。企業業績への影響や食品などの値上げの動きが相次いでおり、インフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションへの不安がぬぐえない。

 来週は一大イベントのFOMC(米連邦公開市場委員会)を15、16日に控え、金融引き締めへの不安が先行する可能性がある。パウエルFRB議長は0.25%と穏健な利上げ幅を示唆しているが、10日に発表された米2月CPI(消費者物価指数)上昇率は、40年ぶりの伸びとなる前年同月比7.9%を記録。金融引き締め強化の観測を強めた。

 来週前半はFOMC前にポジションを縮小する動きが広がり、相場の下げ圧力が拡大する展開も想定される。半面、0.25%の利上げは既定路線とはいえ、先行して株価が調整した状態で結果を見た場合、イベント通過の安心感が膨らむと思われる。

<米小売売上高が焦点に>

 一方、急転直下の事態にも備えたい。日本時間の11日午後の段階で、ロシア軍がキエフ中心部から15キロに迫っていると伝わっていた。ただ、仮に重大局面を迎えても、株式市場は一時的な波乱に見舞われた後にアク抜けムードに転じそうだ。

 もっとも、ここではウクライナ情勢について、こう着状態の継続を前提にする。来週後半にかけては、米国景気の腰の強さがインフレ以上に重視される可能性もある。その要素の1つが16日に発表される経済指標の米2月小売売上高だ。同国では新型コロナウイルスの感染者数が減少しつつあり、消費への好影響が期待される。

 今週の日経平均は2万4681円まで突っ込み、当欄の予想レンジ下限(2万4500円)をうかがった。来週のレンジは2万4350-2万5750円とする。経済指標はほかに、15日の中国の2月の工業生産や小売売上高、都市部固定資産投資、17日の米2月住宅着工件数、18日の米2月住宅着工件数など。

 また、3月16日には市場が注視する2本のロシア国債(総額1億700万ドル)の利払いの期限が到来する。日本では17-18日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。

提供:モーニングスター社


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