角幡氏の表現力=上手い

今私が読んでいる本の一節を紹介します。

「この際だからはっきりと言っておこう。人生をつつがなく平凡に暮らしたいのなら本など読まないほうがいい。しかし、本を読んだほうが人生は格段に面白くなる。読書は読み手に取り返しのつかない衝撃を与えることがあり、その衝撃が生き方という船の舳先をわずかにずらし、人生に想定もしていなかった新しい展開と方向性をもたらすのだ。しかもその衝撃は意外と潜伏期間が長く、何年間も自覚症状がなかったのに、別の本を読んだときにそれが引き金となってマラリアみたいにひょっこり顔を出し、読み手の将来設計を変えるなどしてしまう。要するに読書には人生の予定調和をぶち壊す毒薬のような破壊力があり、それこそが私が考える読書という営為の最大の美点なのだ。マラリアに感染していない人生より、マラリアに感染している人生のほうが面白いに決まっているだろう。」(『探検家の日々本本 (幻冬舎文庫)』(角幡唯介 著)より)

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