第б回裏短コン#20「六重」

「六重」宮田敦史作 25位

六重

作意手順 33金、25玉、34銀、14玉、15銀打、同馬、13銀成。

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正解:34 誤解:1 無解:0 無評価:1
評点:2.180
順位予想 1位:- 2位:- 3位:-
ベストタイトル投票:-

☆宮田先生が裏短編コンクールにご登場!裏短コンへのプロ棋士の参加は初めてです。

☆タイトルの通り、33地点に六重の利きがある。さて、どれを動かそうか
・・・と考えると罠に嵌る。33桂成右は45玉で、16馬の利きがあるため34銀と打てず失敗。33桂成左は25玉で同様に、45馬の利きで銀が打てない。またと金や銀を動かすのは玉の逃げ場所を増やしてしまうため詰まなくなる。

☆初手は6枚も効いている33地点に持駒の金をガツンと打つのが正解だ。これなら2枚の馬の利きを止めながら玉の逃げ場所を増やさず迫ることが出来ている。33金、25玉、34銀、14玉に13銀成、15玉、24銀迄としたくなる所だが、よく見ると24に26飛が利いている。代えて15銀打捨てで退路封鎖をし、13銀成迄で詰め上がる。

☆重い金打と言えば伊藤果先生の3手詰を連想するが、本作はさらに利きを重ねることで超重たい金打ちになっている。狙いがストレートに伝わる内容で、好みの一作である。

☆タイトルが「六重」ということで6番に配置。しかし、16の方がより良かったかも?

作者コメント
自分の駒が六枚利いていて、どれを動かしても王手になる所に重ね打ちする 33金が狙いです。桂が動くと逆の桂を取られて馬の利きが通ってくるし、銀やと金が動くと玉の逃げ道が広がってしまう為この手が成立します。
2020年解答選手権一般戦の不採用作です。

☆解答選手権で出題されていたら、一瞬クラッとしそうな作品。皆さんはどのくらいの時間で解けただろうか?

nono_y「6枚効いている地点にベタ打ちというだけでは評価ポイントになら
ない。以後の手順も冴えない。」
園川「いわゆる「超重たい金打」。」
tsumegaeru「不利感のある尻金はよくあるが、効きをここまで増やすのはすごい。」
田川雄大「初手でどれを動かしても不都合が生じる」
藤原俊雅「その名の通り。」
菊田裕司「初形は何? 廿(二十)ではないみたいで、タイトルとの関係が良くわからず。」
mituhiko「強い駒が密集していて面白い形だと思いました。」
オオサキ「やりたいことは分かるが自分の好みではなかった。
3手でまとめる方がまだ好ましいような。」
金少桂「これは伊藤果先生もびっくりですね。」
soga「いやーこれは「超重たい金打ち」ですね。」
大瀬戸「タイトルが初手を示していたことに後から気づいた。
初形は凝っているけど、捨て駒が銀1枚のみでは淋しい。」
ミーナ「焦点打の逆の重ね打ち。全部必要駒なのは当然ながらすごい。」
ほっと「どうせなら23・43は金にしたい。」
雲虚空「題名でネタが割れている感はありますが、非効率の極みのような金打は面白いと思います。」
まゆしぃ「配置が面白い。」
だっしぃ。「初形がきれいで、初手に意外性があって良いと思った。」
おかもと「いっそ玉方31香と攻方32とを追加して「七重」にしたら。」
馬屋原剛「思わず「打」と付けたくなる初手。不要駒がありそうでない。」
太刀岡甫「6枚利いている地点への重打ちで、純粋不要駒なし。
六重が最大なのかという点は少し気になるが、意外ともう1つ増やすのは難しい。
でもこれ、捨駒入れなければ5手でできるような……。
作者予想は金少桂さん。なんとなく、6と聞いて6重王手を思いつきそう。」
上谷直希「棋譜表記を間違えそうだが意外と表記的には親切設計だった。」
虎野亜奈「初形、手順、詰上り、色んな意味で重複感が凄い。」
斎藤光寿「33金打と書きたくなる。ピタリとはまる初手なのだ。」
青木裕一「タイトルはある意味でフリ見たいなもの。
こういうのはたまに作るので、僕を作者予想した人は多いのかな?」
山下誠「よく見れば、歩の向きを左右で変えている。」
まつきち「桂を成らずに重く打つ金が好手。」
宮田敦史「六重と言う作品を6番に持って来るとは面白い。投稿時に書き忘れたが14歩は33桂左成、25玉、14銀以下の余詰消し。」
松下拓矢「捌こうとすると大駒が働いてかえってダメなのか。形は面白いが手順はちょっと重過ぎる。」
黒川「3手目以降捌けると初手がさらに際立つと思う。」
梶谷和宏「六重となっている33の地点へさらに金を重ね打つというのが面白い。
こういうの嫌いじゃないです。」
奥鳥羽生「六重に 利き重なりに なお重ね」
風みどり「それが打ち難いから狙いになるんであって数の問題ではない。」
三輪勝昭「僕は主眼手や大駒が詰上がりに必要でなくなる作品の評価は極端に低くなる。」
∇「初手面白い」
有吉弘敏「これも初形曲詰ですが、もう一手何かを入れたい。」

☆作者予想

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☆青木裕一さん1名のみ的中!