第б回裏短コン#18「籠城」

20位 雲虚空作 「籠城」

籠城

作意手順 54香、43玉、32銀、同玉、53香成、43と引、44桂。

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正解:33 誤解:1 無解:0 無評価:1
評点:2.361
順位予想 1位:- 2位:- 3位:-
ベストタイトル投票:3票

☆八方塞がりというイメージから八番目に配置。

☆初手54銀打は62玉で8筋から逃げられるので、銀を残し54香と打つ。62玉は73銀以下簡単。43玉と守り駒の多いほうに逃がしてしまっているようだが、逆に32銀と捨ててさらに引き込むのが上手い追撃手だ。44銀だと32玉で、王手は色々あるが44桂と跳ねられないため際どく詰まない。

☆詰め上がりの43とと33とがピンされたダブルピンメイトが本作の狙い。これだけ玉の周りに受け方の駒があるのに詰んでしまっているのが面白い。ピンの数を単純に3個4個と増やしてみたらどうなるかも考えてみたいところだが、7手だと全てが必然性のある手順構成を取るのは大変かもしれない。

作者コメント
ダブルピンメイトが狙い。
その観点からすると、6手目54とが気になりますが、
55%くらいは無駄合だと思うので、まあいいでしょう。
変長になっているわけでもないですし。
2,3筋の壁は当初は攻方の駒も使って作っていましたが、
どうせなら全部受方の駒にしてしまおうと思い、
実戦形っぽいこの形に落ち着きました。
初手は平凡な手ではありますが、
バッテリーを作る手から始められたのは良かったと思います。
最下位にならなければいいのですが……。

☆結果は20位。
タイトルと詰め上がりがベストマッチでベストタイトル投票では3票を集めた。

nono_y「移動合も含め、これしかない手順なので驚きはない。」
園川「珍しい詰上がり。」
tsumegaeru「詰め上がりが面白い。」
田川雄大「籠城したと思ったら実は閉じ込められていた」
藤原俊雅「ダブルピンメイト。配置も作意も改良の余地あり。」
菊田裕司「重苦しい詰め上がり。それが狙いだろうが・・・。」
mituhiko「玉を3二の城に追い立てる過程を楽しめました。」
オオサキ「33を歩や飛にして、3手目44銀は32玉で44に桂が跳ねられなくて詰まないという論理にしたら、31、21、22あたりの駒は金にできるので、
32銀捨てのインパクトも強まり、詰め上がりもより籠城感が増すのではないかと思う。」
金少桂「珍形の詰め上がり。ステイホームと見るか、密と見るか。」
soga「巣穴へ直行して蓋を閉じる。最後はピンメイト。」
大瀬戸「詰上がりだけ見たら何があったのか分からない。
玉が入城していく様がユーモラス。」
ミーナ「すごく堅そうな詰上がり」
ほっと「詰上りは笑える。八方無碍の逆バージョンなので8番か。」
まゆしぃ「もう少し駒が減らせそうな印象。」
だっしぃ。「玉の周りに駒がたくさんあるにもかかわらず、桂馬で詰んでいるのが面白いと思った」
おかもと「「籠」城というより「牢」城。」
馬屋原剛「32銀が好手」
太刀岡甫「詰上りでやりたいことはわかる。嫌味のない作りだが、特別凄いことをやっているわけではないと思う。
作者予想は梶谷和宏さん。珍しい詰上りを追求する作家で、中段玉が多い印象だが、ピンメイトも好きそう。」
上谷直希「籠城場所は32地点か。
 全体的に配置を1段上げたくなってしまうけど、きっと難しいんでしょうね。」
虎野亜奈「詰上りが狙いなら構図の重さは仕方なしか。」
斎藤光寿「お人よしばかりの世界だ。ちょっと気の利いた手順もいい。」
青木裕一「タイトルから詰上りの玉位置を察したわりに少し苦戦した。」
山下誠「籠城した玉の姿焼き。」
まつきち「32銀は好手。だが初手と5手目が平凡なので、もう一手欲しい。」
宮田敦史「6手目が味良し。」
松下拓矢「攻方が籠城のお手伝いをしている感じが面白い。最終手余詰が惜しいところ。」
黒川「配置をもう少し整えたい。」
梶谷和宏「これは笑える。たしかに籠城ですね。
槍(香)や大砲(馬)はかわせても、変則軌道の手裏剣(桂)はかわせなかった。」
奥鳥羽生「立てこもり 飛び道具には 参りけり」
風みどり「捨駒らしい手は32銀の一手だけではちょっちね。6手目54との解答はどう審査されるのか興味あり。」
三輪勝昭「面白い狙い。タイトルもズバリで評価に1点加点しました。」
∇「堅い守りも桂馬には弱い。」
有吉弘敏「タイトルと手順がぴったり一致していて、面白い。」

☆作者予想

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