第б回裏短コン#23「三つ子の時の魂」

「三つ子の時の魂」奥鳥羽生作 8位

三つ子の時の魂

作意手順 57飛、42玉、47飛、同馬、31角成、同玉、32金。

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正解:35 誤解:0 無解:0 無評価:1
評点:2.691
順位予想 1位:2 2位:1 3位:1
ベストタイトル投票:-

作者コメント
角打(多くは遠打)のテーマでプレ・裏の投稿を続けてきたが、 ついにネタ切れとなりにけり。 今回は投稿をあきらめたところ、 アディショナルタイム設定の報。 ならばと旧作群をひっくり返し、 50数年前の処女作群の中から余詰作を無理やり修正したもの。売り切れを初め不細工配置 が目立つも、「若気の至り」作 ということで、ご容赦くだされ。2手目変化、当初は55と56では違う 手順設定も、うまくいかず断念。

☆裏短編コンクールで限定打と言えば奥鳥羽生さん。今年も限定打物での参戦。

☆いかにも駄目そうだが初手べたっと44金は、42玉、43と、51玉で、14馬の利きもあり意外に手がない。43飛は、54玉、44飛成、65玉、64龍、56玉で大海へ逃がしてしまう。そこで56飛を考えるが、55歩合、31角成、54玉(42合は、44金迄)、44金、65玉、65馬、56玉でやはり上部へ逃げられる。この56から逃げる順に備えた57飛が本作でメインとなる限定打だ。55歩合には上記順で詰むので56歩合として飛を近づけたいが、56が埋まった効果で31角成、54玉、64馬、45玉、35金迄同手数駒余りで捕まっている。また、64馬に備える55銀or角合は、盤上を見ると全て売り切れているので出来ない。

☆42玉と逃げるよりないが、ここで47飛!が強手。限定打の仕組みは前述の通りだが、作意順だけ見ると手の組み合わせの妙で馬に取られる位置にわざわざ限定打したように見えて不思議な感覚に陥る。馬を動かせば、31角成と玉を呼び出し32金迄の頭金で詰め上がる。表現力の勝利で、多くの好評を集めた。

nono_y「深い意味付けの初手限定打が3手目で取られる位置になっている都
合の良い手順。収束もきっちり。」
園川「魂は百まで限定打。」
tsumegaeru「敢えて後で取られる位置に捨てる遠打がいい。」
田川雄大「あえて馬の利きに入るのが良い」
藤原俊雅「捨てるために打ってるような感覚。55銀合を割り切ってほしかった。」
菊田裕司「3手目以降左半分が働かないのがやや残念だが、手順はきれい。」
mituhiko「無難に馬のいない5六飛~4六飛の順から考えてまんまと釣られました。」
オオサキ「ひとつ遠いのは確かに面白いが、左辺の駒数の多さが、4銀配置も含めて目についてしまった。
34と73を成銀にしてもいいから、駒数減らせないものだろうか。」
金少桂「この手の遠打といえば奥鳥羽生さん。今回の作者当てで唯一自信ありです。
後に4筋に動かしたときにダイレクトに取られる地点の限定打が不思議な感触。」
soga「後で取られる位置へ限定打。着地まで綺麗に決める。」
大瀬戸「空白に飛車を放り込む初手が面白い。
ミーナ「作意で詰ましたあとで、変化の確認。銀合があると逃れるのね。」
ほっと「移動中合かと思ったが。」
雲虚空「この形で57飛の限定打からすぐに47飛と捨てる手順を実現したのは素晴らしいと思います。」
まゆしぃ「角銀品切れが要らない構図になればなお良しか。」
だっしぃ。「限定の飛車打ちもあり、難易度も高く良いと思った。」
おかもと「限定打をすぐ捨てる。」
馬屋原剛「限定打の飛を捨てる展開は見事。」
太刀岡甫「良いですね。次に取らせる遠打自体珍しく、可成位置で行うのではなく飛の利きを使っている。
中合を31角成でまとめるのは気付きにくい発想だと思うし、その角を捨てるまとめ方も良い。作者予想は奥鳥羽生さん。
理由は遠打の作品だからだが、意味付けがこれまでと違うのでまり自信がない。次点で虎野亜奈さん。」
上谷直希「アレンジ次第ではまだまだ新鮮な表現は出来るんだなと感心させられた。」
虎野亜奈「もはや伝統芸能になりつつある限定打転回。今年は飛車。ここ数年で一番好きかも。」
斎藤光寿「飛車の動きがきれいだ。下段に駒を詰めた構図がうまい。」
青木裕一「56飛だと詰まない仕組みがまあまあうまくできている。
タイトルは限定打一筋○年?」
山下誠「限定打の飛車を寄る感触はなかなかよい。」
まつきち「57飛から47飛が絶妙のコンビネーション、それを成立させる14馬も巧配置。
56中合が出るかと思ったが、鮮やかな大駒捨てのフィニッシュも好印象。」
宮田敦史「この限定打は不思議で面白い!タイトルの意味は分からず。」
松下拓矢「題意が気になる。」
黒川「限定打の飛車をすぐに捨てるのが良い。」
梶谷和宏「ほほう、この限定打はなんとなく新鮮。相当気付きにくかったです。」
奥鳥羽生「雑な作 一枚減らす こと出来た(☗63と→72銀☖61銀72銀→62金☖21桂→24銀)」
風みどり「収束から逆算すればすぐに解けるが、この初手は味わい深い。」
三輪勝昭「後に43に動くから二重に遮断する必要があるのがちょっと面白くはあるが常識的捨て駒の域を出てないかな。」
keima82「14馬が初手限定にも余詰防止にも効いており、また、2手目中合等が巧く割り切れてると思いました。
タイトルよくわかりませんでしたが、手順に非の打ちどころがなかったため満点。」
∇「飛の打ち場所が良い」
有吉弘敏「これは非常に上手く論理構成ができていて、初手の限定場所が
    3手目に捨駒になっているところが、大きな価値ですね。」

☆作者予想

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☆的中者はなんと7名!限定打とこの手順の完成度から奥鳥羽生さんが浮かびますが、それでもこの的中率は凄いですね。