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弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第27話 それぞれの思い

 アンサンブルコンテスト県大会は、年明けの1月に行われることになっていた。

 今は12月中旬、課題は多くあった。
 娘のクラリネットはリード問題を解決しつつあり、あとは表現力向上のために練習を重ねる必要がある。速いパッセージで指と息がとっ散らかる。

 フルートはまさに楽譜通りに忠実に演奏をこなしていた。しかしながら娘の師匠いわく、ロングトーンの最後に音程が下がるクセを見抜かれていた。

 そしてビブラートが弱い。悪く言えば単純な音となっていた。アルトサックスも・・。

 さすがにこの先の暗雲立ち込める状況を想像し、頭が痛くなってきた(^^;;

 吹奏楽部にとって、先輩から後輩への技術の継承はとても大事だと思います。

 強豪校の練習風景や普段の取組みなどを雑誌・本やYouTubeなどで学習してみると、やはり技術の継承がとても重要だということがわかります。

 我々弱小吹奏楽部にとって、元々の技術が乏しいです。それは先輩が下手だとか、教えるのが上手でないなどといった問題ではありません。子供達に罪は一切ありません。

 負のスパイラルに陥った我々のような弱小吹奏楽部にはありがちな問題なのではないでしょうか・・・

 過去にそのような状況を察知して、娘にはプロのレッスンに通わせることにしました。

 そして県大会前までに・・・

 まずはフルートの子向けに、ビブラートの掛け方や、本番曲の過去の録画映像を編集して、プロの演奏の仕方との違いなどを細かく動画にし、親に送りました。

 この子は非常に前向き取組んでくれて、骨を折って行動して良かったと思いました。

 アルトサックスの子は伴奏メインではありますが、ソロでメロディーを吹く場面があり、単調な演奏が目立ちました。しかしながら力強い音は現在で、存在感は抜群です。

 約1ヶ月で見違えるような演奏を習得するのは難しいとは思いましたが、フルートの子と同様、練習方法や正しい吹き方の動画を編集して親に送りました。

 私は完全に素人です。今振り返ると恐ろしいほど余計なことをしています😱

 年末、クリスマスも終わり、年の瀬が迫ってきた頃。学校は休み期間に入り閉校しています。我々親達三重奏は心配になり、近くの公民館で子供達を練習させることにしました。

 子供達は休みモード、親達は本気モード。この温度差が演奏に現れていました💦

 あまりパッとしない練習が続いています。
『16時になったら通しで撮影するから、それまで頑張ってね👍』
私は公民館を後にしました・・

 現状を他の親達へ伝えます。やはり休みモードで気が抜けているのを私と同じように心配されていました。

 中学生ど真ん中の子供達にとって、夏休みや冬休みなどの長期休暇は楽しいはずです。

 私自身も遊んでばかりいました^^;

 吹奏楽関係の大会はこの長期休暇明けのスケジュールが多い印象があります。

 夏のコンクール県大会は夏休み中にありますし、次の支部大会は休み明けに開催です。

 そして今向き合っているアンコン県大会は冬休み明けの開催。

 働き方改革で部活動の時間は厳格に管理されています。

 強豪校はどんな練習スケジュールで臨んでいるのでしょう。
 我々弱小吹奏楽部にはノウハウがありません。自分達で考え行動する以外に道はないです。
 しかしそれは強豪校だって一緒のはずです。

 
 約束の16時となり、公民館に戻ります。そして演奏、撮影スタート。

 練習始めの頃よりは少し緊張感のある演奏をしてくれました。

 本番まであと数日しかないこと、今の演奏レベルのこと、休み期間の楽器との向き合い方など、色々と子供達に話して練習終了。
 撮影した動画は保護者・顧問の先生へ送りました。

 保護者主催の自主練習会は、不安を増大させる結果となり、終わりました・・・

 この気持ちのまま年末年始を過ごすのは辛すぎます(^^;;

 帰りの車内で子供達が会話しています。

『本気になれば大丈夫でしょ!』
『え〜もっと休みたい!』
『まだまだもっとやれることはある!』

 長期休暇に入って約1週間、リハビリのような練習会はこうして終わりましたw


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