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念願の電動蜜絞り機を制作

春日部養蜂場も高齢化の波には抗えません。ということで、蜜絞り機を殿堂にすることとしました。実のところは昨年は計画倒れで、ようやく今年実現をした訳です。養蜂冬時期のお楽しみにどうでしょう。
これから養蜂をしたい、また養蜂を始めたばかりという方に向けた記事にしてみたいと思います。


電動分離器は市販されている

電動分離器はそもそも販売されていて、手動式の分離器の手動部分をモーターに置き換えるタイプのものも販売されています。
当然これらの検討をしましたが、タンク込みでは最低価格でも10万、モーターだけでも最低価格7万円くらいすので、ここは手作りをと考えました。電動タイプの分離器は大きな養蜂場をターゲットにしたものが多く、置箱で200箱くらいの規模はターゲット外だなといいうのが印象でした。

小規模養蜂でよく使われる分離器

二枚または三枚の巣枠の入る分離器を、規模の小さい養蜂場では活用されているはずです。上にLINK貼ったものは、いいお値段のものかなとは思いますが。

分切りには固定式と転換式がある

今回電動化に使う分離器は二枚掛けの転換式。
固定式というのは、巣枠の右面と左面とを手で反転させて両面を絞るタイプです。転換式は手巣枠を入れ替えず、タンクの中の枠を入れる網の部分が180度回転し右面左面と絞れる機構を搭載しています。巣枠の入れ替えが必要ない分、手間が減ります。

メインとなるモーター部分は電気ドリル

マキタの電気ドリルM609を選んでいます。同様の方法で山崎養蜂場で電動化しているものを見学させてもらいました。数年使っていて問題ない点、コストが安い点、DIYが好きな人にはたまらない点を魅力満載の手作り分離器です。

なぜ電気ドリルなのか

  1. 鉄など硬いものに穴を開けるためモーター+ギアでトルクがある

  2. 回転速度の調整ができるモーターである

  3. 分離器の回転軸をドリルチャックで咥えられる点

工事のプロみんな大好きマキタを選んだのは、モーターメンテナンスや故障時のパーツ交換等、アフター部分でパーツの供給を受けやすいと考えているからですが、中国製電気ドリルなどであれば4000円もあれば手に入ります。

回転速度調整はU字金具でアナログ式

U字金具を使いトリガーの引き具合をネジ締めで調整しています。トリガースイッチの加工や、電圧的に調整をするスピードコントローラーもありますが単純にコストも安いのでアナログ調整を選択しています。
手動のときの回転速度が、目算でハンドルを1秒に1回転程度の速度で回しています。ギア比の関係もあり2〜3倍程度回転が早くなっているはずです。その速度を目で確認しておいて、大体同様の速度で回転できるように調整をします。適正回転数があればいいですが、養蜂家のみなさん自分の感覚で回転速度を決めているかと思います。
適正回転数があるならば知りたいです。

回転時間の設定はキッチン換気扇スイッチ

お風呂場換気扇スイッチではありません。
一時動作という機能を利用します。スイッチを押すと電源がオンになり、自動で30秒、1分、3分、5分、10分と停止までの時間を設定できます。
通常スイッチ、OFFで押すとON、ONで押すとOFFという動作もできます。一時動作で時間をセットしてボタンを押すと、自動で停止するスイッチとなります。3,800円ほどの価格で販売されているので、ここまでで一番高価な買い物になるだろうと思います。

ドリルとスイッチの配線図


ドリルの電線のいずれかにスイッチをかませるだけ

構造は非常に単純です。ドリルの電気ケーブルを加工すると後々面倒もあるかもしれませんので、安い延長ケーブルを購入してそれを加工します。
問題点はコンセントケーブルはより線、換気扇スイッチは単線という電気の線の違いです。

電気屋さんみんな大好きワゴのワンタッチコネクターを利用します。より線と単線を繋ぐことがワンタッチでできますので、ハンダゴテとはサヨウナラです。コネクタ600円ふたつと、安い延長ケーブル300円で配線完了です。

分離器とドリルの固定

現物をメモしたもの

主導部分を取り外すと回転軸のみとなります。この部分をドリルチャックでドリルと固定します。2枚掛けの軸は10mmですので通常ドリルの場合、10mmチャックが標準ですがモノによって13mmチャックが標準のものもあります。2枚掛けについてはドリルと回転軸の接続は問題がありません。今回使用する展開式の分離器の回転軸は15mm。通常の標準ドリルチャックのサイズ最大13mmでは固定できません。アースドリルなど軸の太いオプション用に15mmや16mmを固定できるドリルチャックが販売されていますので、それを利用して回転軸と固定しました。2800円くらいでした。ドリルチャックはチャック交換という方法と、今のドリルチャックに咥えさせる方法があります。いずれでも問題ないと思います。
ただ、この状態ですとドリルが回転し、分離器の中が回転しません。

ドリルを板に固定し、板をL字のステーで主導用ハンドルを固定していたネジ穴を利用し固定する

L字のステーは長穴のタイプを探してください。円形の穴ですと数値固定で融通が効きませんが、長穴ならは数センチの融通か効きます。
固定する板は10mm厚以上のベニヤ板程度の強度で問題ないように考えています。ドリルの固定はU字金具を使うまたは

ドリル固定用の専用金具もありますので板とドリルの固定自体は難しくないと思います。

金額まとめ 2万円弱で電動化完成

  • ドリル(マキタ)/6000円コーナンPRO

  • コンセント延長ケーブル(2m)/300円

  • キッチン換気扇スイッチ(パナ)/3800円

  • スイッチのボタンとカバー/300円

  • 単線ケーブル(1.6mmで1m)/300円

  • ワゴコネクタ/620円を2つ

  • L字ステー/800円を2つ

  • 水平ドリルスタンド/2800円

  • 16mmドリルチャック/2800円

  • 板/ありもの

  • ネジ類/ありもの

市販品の一番安いものの三分の一の価格でできました。水平ドリルスタンドをU字金具で代用、ドリルを中国製で代用、タイマースイッチを無くせば10000円で電動化ができると思いました。もっとよいタイマースイッチや、トリガースイッチの方法があれば知りたいですし、また考えてみたいと思っております。

大きな問題点としては分離器を固定する台が必要

知り合いにL字アングルを溶接してもらい、60センチ四方で、高さを40cmの台を作成してもらい、アングルの台に木天板を固定、この天板と分離器をネジで固定しています。
手動でも同様ですが、巣枠を入れて回転させると分岐力は洗濯機の脱水状態のように揺れますので、きちんとした固定をしてください。とっても大事です。

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