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☆お客様の零れ話1 市さん

こんにちわーvv

今日は投票日ですね。

この頃は、期日前投票もずーっとやってるし、臨時投票所も割とあちこちにあるし、「忙しいから行けない」って言い訳がしずらくなって来ましたよね。

え?私?

ふふーん。行ってないと思うでしょ。でも実はもうとうに済ませてあるんだな~。

琴子さんの方がワタワタしてますよ。ふふ~~ん(優越感)

今日の更新が遅いのはですねー。

え、バラバラだろって?違いますよ!

出来るだけ、出来るだけ8時前には更新しようとしてますよ。するだけは。

でも今日遅れたのはですね、うん、ちゃんと理由が有るのですよ。

それを説明するために、今日はお客様のお話をします。

ご本人にはさっき許可を頂いたので大丈夫。

お客様のお名前は「市さん」行商のおばさんなんですけど、すっごい謎の人物なんですよ。

まず何から話そうかな。

えっと。

そうそう。

今日、パンケーキセットを食べてたんです。朝。

え、食べますよ。普通に。

kotokoto内では、ちゃんと控室で食べてますってば。

お客様の空いた時に、琴子さんと交代で。

パンケーキを受け取って、控室に向かいながらね、その時ふいに思ったんです。

ジャムじゃ駄目なんですよジャムじゃ。

紅玉とかね、ジャズとかね、固めですっぱめの林檎をお砂糖…出来れば甜菜糖とかで煮て、まだシャキシャキ感の残るコンポートにして、パンケーキにたっぷりのせて食べたい。

コンポートなんて、レンチンで5分だし、ああ、「林檎ほしい」

そしたら琴子さんが振り返って、にーーっと笑うので、パンケーキの上の段だけバターたっぷりで食べて待ちましたとも。

市さんを。

何故だって? 誰だって?

ふふふ、いらっしゃるのですよ、Bar di Kotoko には素晴らしいお客様が。

何かどうしても必要な物が有る時、現れる救世主。

大体月に一二回。どうしても欲しい、今欲しいけどどうしようと言う時、ベルを鳴らして入ってくるお客様が。

いつも、まさか今回はないよね、と思いつつ、大きな期待を持ちつつ待っていると、まるで子羊を救うヒーローのごとく、現れるお客様が。

あれ?お客様?この場合は、お客が私達の方の気がするけど…

ま、いいや。それでですね!

パンケーキの上の段を食べて控室から走り出て、扉を見つめて待つ事2分。

いらっしゃいました救世主!!

「暑くなって来たナシ」

慌ててビールケースを抱えてダッシュ。壁際に置いてOKサインを出すと。市さんがそこに荷物を設置。

この間、台詞はないノダ。

荷物を置いて、市さんが肩を抜いて一息ついてから。

「いらっしゃいませ、市さん、林檎ある」

琴子さんが出したお水のコップを受け取って市さんに渡しながら言うと、皴はあるけどつやつやの顔がにま~~っと笑った。こういういい顔できるお婆ちゃん、私の将来図の理想だわ~~~。

「今の時期紅玉はないど、マルちゃん」

何故、紅玉が欲しいと分かった。林檎としか言ってないのに。でもないのか~~……。

そういいながらも、市さんががっつり包んだ箱の奥から、赤くて丸い果実を差し出してくれる。

「だから二っつきりノ」

市さんの笑顔と相まって、その赤い実が奇蹟に思えて、そりゃー恭しく受け取った。

奇蹟の紅玉。食べちゃうの勿体ない!

いや勿論、瞬時にチンして美味しいコンポートにしてお腹に収めたんですけどね。

これがいつもの市さんで、そりゃもう私だけじゃなく、その場に居合わせたお客様も一緒に手を叩くやら首をかしげるやら。

何が欲しくても、どんな無茶なリクエストでも、市さんが「それは持って来てない」と言った覚えがないモン。

ひとつだけ、とか、たまたま今日は有る、とか、ついそこで常連さんに貰っての、なんての迄あるけど、「持ってない」はないのだ。

もうそりゃあ、ただの一度も。

今迄で「いくら何でもそれはない」と思ったベストワンは。

――――あ。

この続きはまた明日。

いらっしゃいませ!


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