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84 離婚後に子どもたちと面会交流をさせる理由

あと数時間もすれば「元夫」なる人間と喫茶店の前で別れた。

だか今生の別れではない。なぜなら子どもたちと面会させる項目を公正証書に盛り込んだからだ。

養育費を満了まで支払う割合は日本では3割と言われている。現に踏み倒した人間と結婚生活を共にしていたのだ。

わたしは前妻とは違い、未払いがあれば公正証書どおり給与の差し押さえをする。とんずらしたら地獄の果てまで追いかける。そう宣言した。

面会をするほうが未払いの確率が下がることは統計的に分かっているが、面会の1番の目的は子どもたちの心のためだ。

父親が家からいなくなる。それを理解するのも時間がかかるだろうが、別れもせずに会わなくなるのはさらに理解に苦しむだろう。

「あなたの『元夫に子どもたちを会わせたくない』という感情は一旦横に置いて、会わせていく中でも子どもたちの意思を尊重すればいい」

4人のお子さんのシングルマザーに頂いた助言はどの専門書よりも心に響いた。

「子どもたちの前で元夫の悪口は言わないこと。悪口は言える大人と一緒に罵詈雑言でもいいからいくらでも吐けばいい。けど、子どもたちにその感情はぶつけてはダメ」

この言葉もわたしは心に焼き付けた。

父親は同じ屋根の下に住むことはないが、子どもたちの父親に変わりはない。面会をしながら新しい家族の形を手探りで作っていく。どんな形になるかは未知数だけど、子どもたちのためにも会わせる選択をしたのだった。

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