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70 母が打ち明けてくれた驚きの真相

Zとの公正証書が作成できたのち、母に進捗報告をした。

夫の携帯を探るたびに、毎回驚きの新事実が槍のように飛んできていたが、今度は母から新しい槍が飛んできた。

心の優しい母が言った。

「結婚式の時に30万円貸したのよ。結婚費用にお金を使ってしまって、それでもサプライズビデオを撮るためにまとまったお金がいると言ってた。結婚式でサプライズビデオなんて流れなかったから、内心ビックリしたわ」

入籍してから一年後にあげた結婚式。結婚式の費用も足りず、母にその一部を負担してもらっていたにも関わらずさらにお金を借りたとは、一体どういうことか。

しかも、わたしの耳にすぐに届かない口実を盾に使っている。一体何に使ったと言うのか。

「結婚式の後、少し落ち着いた頃にそのことを聞いたら、結局時間がなくてサプライズビデオは撮れなくて、けど後輩たちに奢ってお金は使ってしまったって。
まぁお祝いのお金だから、返せたら返してほしいとは伝えたけど、結局返ってはこなかったわ」

30万円分の飲食だなんて、キャバクラへでも行ったのだろうか。

入籍からまもなくして母を騙したその手口に、わたしとの入籍はすべて金目当てだったのではないかと考えた。実際に籍を入れたので結婚詐欺ではないが、わたしの家全体が狙われているようで背筋が寒くなるのを感じた。

母は続けた。

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