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かすかな声

誰が大人だから泣いてはいけない、はしゃいではいけない、と言い出して、それは何歳からそういう振る舞いをしないといけないのでしょうか。と、問いたくなるくらい、今月はいろんな感情で忙しくなり1ヶ月で1年を一気に味わい尽くしたような気分なので、2月からどう生きていこうと思ったりもしています。

映画スラムダンク THE FIRST SLAM DUNK を観てきました。静と動。余計な演出はなく、セリフが少なくても展開を知っていてもグッとストーリーに入っていける。OPからかっこよすぎて、最高すぎてひたすらかっこいい。(2回言った…)

井上雄彦さんは鹿児島出身だ、と言って高校生の時に担任が勧めてきてハマりました。
「永沼、あーた、桜木花道っぽいから」という理由で勧めてきた。
担任は3年間ずっと同じ先生(あだ名はミエ。タレントの見栄晴とうりふたつだったから)

大学卒業後の赴任先で、教師1年目から担任。ミエは穏やかなのか、優しいのか、懐が深いのか、図太いのか、生徒にいじられても全く動じなかった。たぶん、みんな彼が好きだったと思う。
私は用をわざわざ作って、彼がいる社会科の職員室に行きソファに勝手に座り雑談をするのが学校に行く楽しみだった。他の科の先生もミエが好きだったから長居をしており、その時間は先生と生徒という枠はあまりなかった。卒業してからは私は鹿児島市内に一人暮らしでミエも近くの高校に転勤。離島に移動になるまでは時々ご飯を一緒に食べたりして交流は続きました。

ミエはバスケ部の顧問で、170の私に時々スカウトしてきて
「永沼、バスケ・・・」「あ、ムリムリムリムリムリ…」のやりとりが1年生の間はエンドレス笑

スラムダンクが大好きだったから、生きていたら公開と同時に見に行ったんじゃないかな。感動しまくって、あの無音のシーン、(展開を知っている人含め)誰もが「入れ!」となったあのシーン、ミエはガッツポーズをしたはず。

映画を観ながらミエに観てほしい!観て欲しいよ~~!という涙が止まらなかった。ずっと泣いていた。なんであんないい人が、あんな早くにこの世を去らないといけなかったんだろうって死を受け入れられない気持ちがずっとあったけど、10年経って
「ミエ、観た?スラムダンク」って言えないことでやっとまたいつかね、ってできました。
泣いてばっかだったからもう一回劇場に行きます。

足首なし
パンパンは高校生がピークだったかも

歳を重ねた分だけ経験が増えていく。だから共感する力もできていき、涙もろくなるのかもしれないが、今回の私の涙は泣くことで心のバランスを取り、何かを受け入れるために暗闇の中ビービーと目から塩水が滝のように流れてきたんだと思います。決壊。
高校1年の時に、買ったばかりのバイクをうちまで見せに来た男子の友人が翌日そのバイク事故で死んでしまった時はショックでフリーズし、葬式も出たくなかったし一滴も涙が出なかった。保育園の時から中学まで一緒のメンバーでみんな泣いていたから「あっちゃん、冷たい」と思われても全く出なかった。


1月4日マリンメッセ福岡
念願の!藤井風さんのライブに行けたんです。過去3回抽選に外れ、やっと今回チケットが取れてそりゃ天にも昇る心地でした。
4.5年前たまたまYouTubeでピアノを楽しそうに弾く彼を見つけて「これはヤバイ」となり( SNSでシェアしたけど私の周りでは反応がなかった)、ずっと見ていたらある日突然歌い始めて「クララが立った!」の衝撃でした。声!!!そして、うまい。なんでこれまで歌ってなかったの?と思わずコメントしてしまった。いっとき追うことを忘れていたら、いつのまにかデビューしててNYでMVを撮影しててぶっとびましたよ。だってずっと岡山の自宅にいたから笑。
自宅から曲を配信していたから。

すばらしいパフォーマンスの感想は一晩中語れるので割愛しますが、そんな彼をやっとリアルで見れる。いる、目の前に。(ちっちゃいけど)そんなキラキラな想いと、美しさと、笑いと、癒しといろんな感情のジェットコースターで忙しかった。自分の中で楽しくて子供のようなピュアな気持ちがこみ上げるのがわかるのと同時に、大人だから?相手に共感する気持ちも高まり笑いながら泣いたりしたので。

風さん、MCで1度顔を覆ったんです。(私が見る限り1度)
別のMCでは声が震えてました。
会場にいるほとんど方々は理由がわかっていたと思います。(昨年末からネット上でいろいろざわつきがあり、それが大きなことになった)
あたたかい拍手が場をつつむ。気をとりなおしラストの歌に入る前に男性のお客さんが「I Love you!!!」と叫んだ。
(ほんとは叫んじゃいけないんだけど)
風さんは気づいてうれしそうに飛び跳たように見えた。私もそう叫びたかったよ。

大好きな人の涙、見えなくてもたぶん瞳にたまっている。おじいちゃんのような彼だけど、ゆーても25歳。怒りや悲しみの感情で大変だったはずです。その状態で紅白を歌い上げ、年越し早々のライブ。オープニングから極度に緊張しているようにも感じれた。それでもすばらしいパフォーマンス。プロなんだ、当たり前かもしれないが、プロなんだ。
泣いてええんよ、、、。バランス、どうやってとってるんだろう?と心配したところで、こっそりエールを送ることしかできないけど、
私はあの震えた声は一生忘れない。

*トップの写真は博多名物「ごぼ天うどん」

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