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人が動くとき

何度かこの写真集については書いてきたので、しつこいな!って思われるかもしれないけどまだ足りないところがあるのでお付き合いいただける方、ぜひ読んでください。
同じことを書いてしまうかもしれないけど。

「真穴みかん」 
2013年 平凡社発行

広川泰士 写真
佐藤卓 企画

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写真集の他、2014年に写真展も愛媛と東京で行われたようです。
東京は松屋銀座!

この写真集をキッカケに私は
「まあなまな」
を立ち上げたし、ひとりでも多くの人に知ってもらいたい。写真集を。
この土地を、人を、風を、光を。


写真集「真穴みかん」を知ったのは昨年末。
農繁期アルバイターとして、愛媛県八幡浜市の真穴みかんの選果場で働いた時に職場の役員さんに、「実はこういうものがあるんです」って見せてもらい、驚いたと同時に大袈裟かもしれないけど、私は今何を見せられているんだろうと少し混乱しました。

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日本のトップ中のトップクリエイター二人の名前が並んでいる。
とても印象的な表紙の写真。
丁寧な作りの布張りのハードカバー。
(言ってしまえば、かなりお金がかかっている本)

なぜこの小さな町を(THE い・な・か なのだ)、
みかんがこんな立派な写真集に?
確かに、ここはゆっくりと時間をかけて撮りたい、と私もすぐに思ったけど。
そんな雰囲気がなにかある。
けど・・・。
なぜ?どういうこと?とんでもないところに来てしまったかも!

このトップクリエイターと真穴みかんをつなげた方にお会いする機会があり、お話を聞くことができました。みかんの選果場の前共選長さん・Iさんでした。
(当時、共選長だったときにこんなトップを真穴に呼んじゃったってことですね!)
共選長と言っても、普段はみかん農家さん。

(写真集のオリジナルプリントを見せていただきました。
桐の箱に大量のプリントが入っており、一枚一枚にサイン入り。桐の箱は佐藤さんがご用意されたそうで・・・。
大変貴重なものを見せていただきありがとうございます!)


真穴みかんの新ブランドを立ち上げるにあたり、デザイナーの佐藤さんに直接お声をかける。あっさり承諾をもらうわけだけど、その突破力?大胆さ?発想力?
普通の農家さんじゃないです。
Iさんのお話がおもしろくて前のめり。
発注はデザインだけだったのに、写真家の広川さんは何度も、何年も真穴に足を運び撮影をされている。
そしてデザイナーの佐藤さんが大規模な写真展の企画を。
さらには写真集「真穴みかん」まで作ってしまっています。

Iさんにいやらしい質問をしてみました。
”めちゃくちゃお金かかってるじゃないですか!?笑”

”お金なんてないない!
このお二人が自主的にやってくださったんです!”

かっこよすぎる・・・

写真集のあとがきを読んでもらうとわかるのですが、
広川さんも佐藤さんも、真穴という土地に人に魅了されていることが伺えます。撮影期間の途中、東日本大震災をきっかけに、日本の風景・真穴の風景への想いが強くなられています。

(話題を私のことにします。
東日本大震災のとき、東京で生活をしていました。津波がおこり、原発問題、計画停電・・・。
人間が長い時間積み上げてきたものを、自然は一瞬で崩壊した。そこで初めて、人間軸と自然軸(宇宙軸?)の時間の流れの違いを思い知らされました。
津波で更地になったところにすぐ植物が繁殖し”がれき”を飲み込んでいく風景を見て、不謹慎ですが私はなぜか安堵感を感じたんです。
さらに私は植物が好きになりました。
ついにはその自然を植物を相手にして生活をしている人々が気になりはじめたことがキッカケに、真穴にきた、ということです。)


話をもどし、広川さん佐藤さんのすばらしさだけではなく、
このお二人をその気にさせた?と言っても過言ではない、Iさんをはじめ、真穴のみかん農家さんたちの存在もこの奇跡を生んだのだと思います。
ここの人たちは本当に1ミリも、、、0.05ミリもかっこつけるところがないんです。みなさん、いつも子供のような笑顔です。(子供みたいな人たちと言うのが正しいかも)

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きっとそんな人柄に東京のトップクリエーターのお二人は惹かれたはず。
地方と東京がつながる瞬間。
何かがうまれる瞬間。
そこに虚栄心という言葉もなく、人と人、人と自然がつながりクリエイティブなものがうまれる。
それが実現できる場所に違いない、と確信しています。

真穴、八幡浜市、愛媛県、四国

私は広川さんや、佐藤さんのような
大人の余裕を持ちながら、大人のまじめな遊びのような振る舞いはできないけど、心から楽しみたいです。


まあなまな よろしくです。



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