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二つのお寺 − 穴井〜志布志 −

穴井

5月、滞在先の愛媛県八幡浜市穴井。夕方になるとゴーンと鐘の音が。近い。
東京に住んでいるとき、ほぼお寺の敷地内のような物件に住んでいたんでいたけど鐘の音を聞いたのは大晦日だけ。
(住むところがほぼお寺の敷地内ってことは隣がお墓、、空をさえぎる建物がなくてすっごく爽快でした)

なんでもない日常でゴーン♪と聞けるはうれしかったので、どんなお寺だろう?って散歩がてら探してみました。小さな町なのですぐに見つかるだろう、見つかった。
入り口には文化財になっている石像があります。なんか格式高い?
鐘を確認したらサッと去ろう。って入った、
お寺の名前は福高寺。

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住職と思われる方が庭の手入れをされていました。すぐに私がここの土地の人ではないことを察したのでしょう。
(この地は秋冬はみかん収穫シーズンにアルバイトの方々が集う)

ー どこからきたの?
ー 鹿児島です。
ー 鹿児島のどこ?
ー 志布志ってところです。
ー ええ!?志布志?
ー ええ!?ご存知ですか?
ー 大慈寺ってあるでしょ?
ー はい(もちろん知ってますよ!有名だし)
ー そこの住職と仲がいいの。志布志にも行ったし、大慈寺の住職がここにも来たよ。
(ミラクル!)
ええ〜〜〜〜。まじですか、どうなってんの?


すぐにでもあの話をしたくなった。



私はええ!?って前のめりになると、相手の状態を無視して暴走ぎみで(KYってやつ)一気にしゃべってしまうので、
一呼吸置き、まずはなぜ自分がこの地に・穴井にいるかの説明から。

ーあなた、めずらしいね。
ーなんでしょうね、意図していないと呼ばれるんでしょうか?

住職はお茶を用意してくれました。ケーキも。
天気がよかったので、いつもゴーンとされている鐘の下で話がはずみます。

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志布志の大慈寺の住職と修行したところが一緒ということで、今でもお付き合いがあるようでした。大慈寺は大昔に座禅会に行ったことがあるので住職さんの雰囲気はわかります。
(鹿児島は廃仏毀釈の影響が強かった。私にお寺になじみがないのはそのせいかもしれない。それでも南北朝時代から残っているなんて奇跡に近い、大慈寺。だって南北朝時代ってアニメ映画 ”もののけ姫”の時代よ!)

昔の穴井のまちの様子を教えてもらったり、境内を見せてもらったり。
そしてもちろんあの話もご存知でした。志布志と真穴のトロール船つながり。(上にリンク貼った記事の内容です)
双方、まだ驚いています。ピンポイントで地方のさらに地方の町同士がいま、またつながったことが。今回もパーソナルなこと。

ー 人の縁って本当に不思議だよね。

ー はい、うまく言葉にできないことなんですが本当に。

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(お庭も境内もよい気が流れています)

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(ビカクシダがあるのが素晴らしすぎる!)

その日の夕方も、また次の日の夕方もゴーンと鳴っていました。ありがとうございます。心静まり、夜をむかえることができる。

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志布志

そして志布志に戻り、大慈寺へ。
いつぶりだろうか?東京から戻ってきてから、近いので行ってみようとずっと思っていたけどなかなか立ち寄る機会がなかった。

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住職は他の方々の対応を終え、
ー はい、あなたどこからきたの?

ー 地元です。ここに来たのはすっごく久しぶりです。


住職、じゃっかん早口でサバサバとお話しをされ、お客さんの対応に慣れていらっしゃいます。ここにはいろんな人が来るのかあ。

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ー それでですね、今日久しぶりに来た理由なんですが、私、先日まで愛媛の穴井にいたんです。福高寺、行ってきました。そしてお会いしましたよ!
住職に。
ー えっ!?会ったの?○○に。(住職の名前)
ー はい、いろいろお話をお伺いしてます。

お二人の内輪話がおもしろいのですが、個人情報になるので書くのはやめときます。

ー 穴井と志布志って他にもまだ繋がりがあって・・・(トロール船の話)
ー ええ!?どうして知ってるの?あなたおもしろいね!

ー 笑!(自分が意図していないことが続いてるだけなんですが)
ー だって、志布志で真穴を穴井って地名を知っている人いる?
あなたと僕と、それと・・・・


住職はご存知でした。真穴から志布志にKさんがやってきたことを。
そして、きっぱりとおっしゃいました。

ー 今の志布志の漁業の発展は真穴の人たちのおかげなの。本当に
いろんな高度な技術をここに伝えてくれたの。
ー やっぱりそうですよね!いや〜、それにしてもあっちのシラス、ほんとおいしかったんです!w

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そしてお寺の説明に移ります。
わたし、知らなかった!
地元のことなのに知らなかったことがたくさん!
このお寺にはちょっとした体験宿坊として、いろんな国の人たちが利用していたんです。(現在は座禅会も宿坊も団体で受け入れているようです)


ー すみません、地元なのにお寺の事情を今知った次第です・・・。
ー あ、地元の人は知らないかもね笑

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このお寺には本当にいろんな方がいらっしゃるのでしょう。話はさらにいろんなことに広がります。お話の機転が、引き出しが、大変失礼ながら志布志の方とは思えなかったです。(住職というのはそういう存在なのかもしれませんが)
思わずこちらがちょっとうるっとくることをおっしゃったり・・・
おいおい、お寺すげーな!って感じ。
「みんないろんなこと持ちすぎ。しょいすぎ。」
「自分を傷つけちゃいかん」
「自分ではどうにもならんこともあるのよ、そんなことばかりよ。」
御意!

お寺、グラウンディングがすごい。

というか、こんな短期間に二つのお寺にググッと入り込んでいく体験なんて今までの人生でないことだったので、もう星をつかんだ感じです。点と点がつながり、線になり・・・というのはよくある話ですが、今どんな線画ができているんだろう。
そんなことはわからないけど、ご住職お二人がとてもいい笑顔でお話をしてくださったのでのでそれだけで花マル!線じゃなくて丸!

自分が知ってる土地なんだけど、そこともうちょっとコミュニケーションをとってみたらおもしろい物語があって、新しい風景が見えてくるのかも。なぜか改めて×2、ホームタウンや九州を知りたくなりました。そこから始まる旅。

*余談、宗派で住職だったり和尚だったり、僧侶だったりと呼び名がちがうようです。むずかしいことはわからないので、流していただけたらうれしいです。


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