ミリオンセラー作曲家と共作しました 〜『Circle』が出来るまで〜
2020年の7月〜8月にかけて、
作曲家・成瀬英樹さんと、曲を共作しました。
AKB48への楽曲提供がミリオンセラーとなった作曲家・成瀬さんのオンラインコミュニティ 『ポップス魔法研Q室』(現在はsoulmix『Song Garden』に移行)の、
「誕生月に一緒に曲が作れる」特典により実現したものです。
■まずはこちらをご覧ください
なにはともあれ、まずはこちらをご覧ください!
共作の過程は、ドキュメントとして動画にまとまっています!
同じ DAWApple Logic Pro を使っていたので、おもにLogicのプロジェクトファイルをやりとりして、制作が進んで行きました。
■制作ノート
モチーフだけの段階から、だれかと曲を一緒に作ってみたかった
この曲を共作した当時、コミュニティーの他メンバーとの共作は『メンバーの方が完成させた歌詞に、成瀬さんが曲を付ける』形での制作が主流でした。
でも自分は、歌詞だけを先に書くのに苦手意識があったのと、なにより『モチーフだけの段階から、だれかと曲を一緒に作ってみたかった』んです。
20代のころから、友人のflapterくんの曲を、メロディを変えたり大サビを付け加えたりメロディーはそのままコードをまるっと変えてしまったりしていました(いつも魔改造してスマン)。
なので、自分の曲も同じようにいろいろ弄られてみたらどうなるんだろう?と想像したり、レノン=マッカートニーのように『膝を突き合わせて一から曲を作ってみる』ことにアコガレていました。
そんなわけで、1st Demoは『あえて作り込まず、曲の展開も考えず、曖昧なまま』成瀬さんに提示しました。
その後、(Zoomでのリモートとはいえ)膝を突き合わせて一緒に曲の方向性を決めることができ、それを元に僕が大まかな形を作ったデモにザクザク手を入れられて行くのは、とても痛快な体験でした。
生まれて育って、繋がっていく『Circle』
最初から「Circle」という言葉は決まっていました。
そもそも成瀬さんを知ったきっかけも、元々はL⇔R 黒沢秀樹さんのライブを観に行くようになり、そこから共演されたミュージシャンのライブにも足を運ぶようになったことから。
秀樹さんも楽曲提供された『まちだガールズ・クワイア』のアルバム「Hello to the World」に収録の『悲しみをぶっとばせ』で成瀬さんを知り、ライブも観に行くようになって。
気がつけば、成瀬さんが立ち上げたオンラインコミュニティに参加するまでになっていました。
そうやって『輪』が繋がり、ひろがっていく。
そしてライブ会場で顔見知りになり交流するようになった、ファン仲間のみなさん。
みなさんほんとうに、さまざまな音楽をお好きで、さまざまな音楽に詳しくて。
成瀬さんのインターネットラジオ番組『Pop A to Z』で毎月末に放送される『リクエスト特集』で掛かる曲に、いつも唸らされています。
そこから新たな音楽を知るきっかけにもなっていて、ここでも『輪』が繋がり、ひろがっていく。
そんなイメージを込めて、『Circle』というキーワードが生まれました。
■アイディアソース
制作にあたって、イメージの元となったもの。
黒沢秀樹 『僕らの未来』
1st Demo は敢えて決め込まないまま録ったので、録音している最中に 無意識で弾いてたコードがこの曲と殆ど同じになってしまった部分があります。
でも、成瀬さんから「その部分が良い」とチョイスしていただき、そのまま進めることになりました。
Nick Heyward 『Caravan』
全体的な雰囲気は、この曲をイメージしていました。
最初にざっくり構成を作った時に、この曲とほとんどそのまんまなイントロを仮で付けておいたら、そのまま馴染んでしまって本チャンになってしまいました。
原曲のイントロは、それほど強いフレーズが入っておらず「伴奏の雰囲気で押す」タイプでした。
「このイントロに、もう少しメロディアスなフレーズが入っていたら・・?」と想像してフレーズを作り、12弦エレキギターで弾きました。
制作の過程でカットされた大サビには、この曲のサビ前をそのまま引用したフレーズがありました。
今となってみればあんまり意味がない引用だったので、カットされて正解だったと思っています。
The Byrds『Turn! Turn! Turn!』
この曲単体というよりは、Roger McGuinnの12弦エレキギター奏法全般に影響を受けています。
この曲のイントロやソロで顕著な「3コース目でフレーズを弾きつつ、合間に1・2コースの開放を混ぜる」奏法を、『Circle』のギターソロの出だし( 動画の09:51〜 https://youtu.be/vNss59kVgiU?t=591 )で使っています。
また、親指と人差し指でピックを持ち、中指と薬指に金属製のフィンガーピックを付けるのもRoger McGuinスタイルに倣っています。
The Beatles 『We Can Work It Out』
成瀬さんが提案されたミドルエイト(中盤の展開部分)は、さながらこの曲の「ポールが歌うメジャーキーの出だしから、突然マイナーキーでジョンが切り込んでくる」イメージでした。
自分ではまったく考えていなかった展開に「これぞ共作の醍醐味!」と興奮したのを覚えています。
動画の中でも「こういう共作をやってみたかったんです」と発言しています。
The Stone Roses 『I Am The Resurrection』
ミドルエイトに入る前のフレーズも、成瀬さんからの提案。この曲の1:25〜あたりから。
僕はこの曲を知らなかったので、実際にフレーズを入れた時には『Baby It's You』や『And I Love Her』に近くくなっています。
小沢健二『天使たちのシーン』
『Circle』というキーワード自体は、この一節からのイメージも入っています。
■補足:成瀬さん視点からの制作後記
動画の公開後、成瀬さんがツイートされた制作後記です。
■おわりに
オンラインコミュニティ『Song Garden』では、ひきつづき「参加メンバーとの共作」が行われています。
https://soulmix.jp/hidekinaruse
次の共作が出来るのを楽しみにしています!
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