社会から与えられているサービスの背景を知ると?

自分の仕事での苦労は、さすがにわかっているとしても、他の業種の方のご苦労をどれくらい知っているか、考えたことって、あるでしょうか?

最近、2つの仕事で、実はそんなことまでしてもらっていたのか!と感動したことがありました。

1つはブドウの生産。
今は主流になってきた「種なしブドウ」。これを作るためには、ジベレリンという植物ホルモンを2回、ブドウの房につけないといけない。

たぶん、ここまでは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

で、もう少し踏み込んで調べると、なんとこの作業をしなくてはいけない時期、というのが、かなり限定されているのでした。

具体的にいうと、1回目はブドウの花が満開になってから3日目までの間。
2回目は、1回目の作業から10~15日目に。

この時期を外すとどうなるか? 一回目が早すぎると、ブドウの房が曲がってしまうそう。ですが、遅すぎると、種が作られてしまう。

2回目は、粒を大きくするのが目的なので、これも遅れると、小粒になってしまうのでしょうね。

こうして、粒が大きくて種のない、贅沢なブドウが私たちの口に入る、というわけです。

もう一つは、キャビンアテンダントさんのお仕事です。
今は子育てもあって退職されていますが、かつてはチーフだった方のお話を最近聞きました。

普段は物腰がとても柔らかい方なのですが、仕事の話になると、キリリとして、お仕事モードにスイッチが入るとこうなのね!とそこでまず、ちょっぴり感動。

ですが、「フライトの前にどんな準備をされるのですか?」と何気なく聞いたら、「空港の設備を隅々まで頭に入れる」他、乗客には想像できない努力が、覚えきれないほどたくさん、次々と出てきました。

そして、フライトの前はずっと緊張感があり、眠れなくなることもある、これは人によると思うけど、とのこと。

聞いていて、乗客は安心して乗って運んでもらっているけれど、人の命を預る側の重さがここまでとは、と想像不足だったことを恥じました。

これから働き手が急激に減っていき、AIだ自動運転だ、はたまた外国から来てくれた人の手に頼るなど、いろんなことが考えられつつあります。

ですが、技術的にどのように変えていくか?を考える前に、まずは、今、自分たちが、どのような人の影なる苦労に支えられて、社会的なサービスを受けているのか、それをもっと知ることから始めてもよいのかな?と思いました。

直接お話をうかがうのがイチバンでしょうけど、それがムリでも、今は若い人向けのキャリアに関する本なども増えています。
ネットにも情報が公開されています。

どうする?の前に、現状を知らないと、失いたくないものを知らず知らずに失って気づく、ということが、これからたくさん起こりそうです。

まずは、自分たちが、何をどのように社会から与えられているのか? それを知ろうとすることで、未来の選択も、後悔の少ないものになりそうですね?


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