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なたね梅雨でも、雨の多い時期、植物のお世話で気を付けたいこと、とは?

植物に水をやる、または、雨がたくさん降って、水が豊富にあるのはよいこと、と思われていないでしょうか?

実は、日本の場合は、そうでもないことを、樹木医の仕事を始めてから知りました。

というのも、植物はある程度の乾燥ならば、自分で根を伸ばして、広く深い範囲から水を集めようと努力します。

ですが、逆に、水はけのよくない場所に植えられていて、長時間、根の周りに水が停滞していると、そちらの方が呼吸困難に陥って、苦しかったりします。

なぜなら、停滞した水には、呼吸に使える酸素が含まれていないため、植物の根は酸欠になって、弱ったり死んでしまったりするからなのです。

「植物にとって、水は多いほどよい」の落とし穴は深刻で、樹木を管理している業者さんでも、植物、樹木の葉が萎れて枯れかけてきたとき、水が不足しているのか、多すぎるのか、判断がつかないことがあるからです。

どっち?となったときは?

土の表面を観察してみて下さい。
根元周りの土の色が、乾燥した感じで、白っぽくなっているときには、水が多くて萎れているのではないはず。

一方、過湿の時は、見慣れるとすぐにわかりますが、土の表面の色が濃いめで、じくじくした感じのはず。

で、あるとき、気づきました。

色でわかりにくいときは、どうする?

それは樹木のそばの土を移植ごてか何かで、ちょっとばかり掘り返してみます。

すると、中の土が乾いているか、湿っているか、わかります。

まだ湿っている場合は、さらに水をやるのは、アウト。

すでに酸欠で弱っている樹木は、水がさらに増えて呼吸困難がひどくなると、息の根を止められてしまいます。

よかれと思ってしたことが、残念な結果を生むことがあります。

樹木と人間は、身体のつくりや生き方が、かなり違います。

相手が今、何を必要としているのか?わかりにくい。

だから、何かしてあげようとする前に、まずは相手をよく知ろうとすることが大切。

「水やり8年」という理由も、植物相手の仕事をしてみて、納得。

水やりをガマンするのも、植物を育てる技術のうち、なのですね。


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