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ちょっとしたことで、植物は調子を取り戻しますね!

仕事関係の場にいると、ほとんどの人が樹木医、ということも少なくないので、つい忘れがちですが、まだまだ一般社会では、「樹木医」というのは珍しい仕事のよう。

で、ときどき、「わが家の植物が調子悪いんですけど、なぜ?」という質問を受けることがあります。


様子を聞くだけ、で対策を考えることが多いので、確信を持ったアドバイスはできませんが、想像を巡らしてその植物が困っている状況を想像します。

そうしてお話を聞いていると、多くの場合、なにかしら、植物のイヤなことをやっていたりします。

だから、それをやめてみたらどうでしょう?とお伝えします。


最近の質問は、「水差しで育てていた観葉植物の葉が黄色くなってきた」でした。

聞くと、減った分だけ、お水を補給していたようなので、古い水は全部ざーっと捨てて、容器を洗い、植物にぬめりのようなものがあったら、そっと洗い流し、新鮮な水道水を毎日入れ替えるとよいでしょう、とお伝えしました。

その理由は、こうです。

根というのは、養水分を吸収するのに、酸素を吸って呼吸する必要があります。その酸素は、どこから得るかというと、水に溶けている酸素、いわゆる溶存酸素というもの。

だから、湯ざましとか、酸素の濃度の低下した、くみ置きの水などは、植物根の生活には適しません。

で、葉が黄色くなっていた植物のその後を聞くと、水の交換法を変えたら、みるみる葉の緑色が回復した!とのこと。

そうなんです、植物というものは、なかなかによくできていて、イヤなことをしない、自分の必要に応じて生きるのを邪魔しない、ということだけで、回復することが多いのです。

余計なことをしないことが(何よりも)大切、という意味では、子育てや人間の医療に通じるものがある、と常々感じています。

さて、お次はどのような質問を受けるのでしょうか? お役に立てるかわかりませんが、そういう機会を頂けることは、樹木医になって頂いた楽しみの1つです。


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