見出し画像

KIS-GE Internship Program2022『在外キャリアデザイン論』in ベトナム国立フエ科学大学 担当 近藤秀将特任教授 第3回集中講義実施録(2023年2月23日・24日)

私が、特任教授を務めるベトナム国立フエ科学大学『在外キャリアデザイン論・KIS-GE Internship Program2022年度第3回集中講義』を実施しました。

学生と協賛企業との集合写真

今回の集中講義は、学生が自らの「技術」(コンテンツ)をアピールできるコンテンツを企画・制作しプレゼンすることをメインとしました。

近藤秀将特任教授とマン(通訳担当)
学生
協賛企業 手前から (敬称略) 藤間(株式会社スカイフィールドコーポレーションCOO)、横堀(株式会社イザナギ代表取締役)、香川(メロス言語学院理事)


講義のポイント

  1. 自主的にグループを組む。

  2. 自分達の「技術」をアピールすることを目的とする。

  3. この「技術」には、自らの専攻だけでなく、コミュニケーション能力、プロジェクトマネジメント能力等も含む。

  4. 発表する姿勢だけでなく、聴く姿勢も評価する。

講義の所感

今回の学生プレゼンにおいては、過去2回の私の講義での最重要論点『「評価されるキャリア」(Valued Career)へと導く評価基準=構造の理解』を前提とています。

この評価基準は、日本の社会通念という暗黙知を基調とすると考えます。

そこで、私は、「構造(超えられない壁)」というメタファーで表現し、ナレッジマネジメントの権威である野中郁次郎氏が提唱した SECIモデルを援用し学生達の知識創造を促しました。

日本企業の評価基準を「構造(超えられない壁)」として理解することにより、学生の主観基準でプレゼンを進めることの不合理性に気づかせるようにしました。

特に理系学生が陥る傾向として、自らの専攻技術を詳しく説明するというものがあります。

しかし、プレゼンの相手は、日本企業の経営者であり、専攻技術の専門家ではないことから、このような説明は、「構造(超えられない壁)」に真正面からぶつかるような不合理な行為と言えるでしょう。

これについては、第一期生として日本企業で活動しているカーン君が、ベトナム人として「構造(超えられない壁)」を示すことによって、さらなる知識創造へつなげていきました。

第一期生であるカーン君からの第二期生へのフィードバック(相互行為)


学生プレゼン例

このチームは、バオ君(情報技術学部3年生)をリーダーとし、小学生を対象とした知育ゲームの企画・制作をプレゼンしました。これは、ベトナムの小学生に、生活ルールや社会について楽しみながら学んでもらうというものです。

チーム制作におけるタスク管理、ウェブ及び3D技術、さらには建築学部生もチームに入っていることから、CAD等を使った建物設計についても,自らの技術としてアピールしていました。

チーム制作という形であれば、最も成功したプレゼンだったと思います。

また、日本企業の評価基準を「構造(超えられない壁)」として理解する姿勢も見えていました。

今回のプレゼンは、前2回の集中講義において共同化と表出化のフェイズを経た学生が、日本企業の評価基準という暗黙知を形式知として表出化し、さらには、その形式知を他の形式知と連結化する過程であると考えます。

本集中講義は、次回第4回で最後になりますが、その後は、選抜学生が日本においてインターンシップに参加することになります。

これは、原則として協賛企業におけるOJTとなり、SECIモデルにおける内面化(形式知→暗黙知)のフェイズとなります。

SECIモデル


本プログラムの基本思想は、こちらのレポートをご覧下さい。


本プログラムの協賛企業を募集しています。
ぜひ、ベトナムの学生のご支援を宜しくお願い致します。
【募集要項】

問合せ先 kislegaloffice@gmail.com

本プログラム・プロモーション映像

本プログラム第一期選抜生 カーン君(情報技術学部卒業)来日のレポート。


関連書籍
『アインが見た、碧い空。』(学而図書)
著者 近藤秀将

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?