店長たかぶ~の所感#1 学問バーという場の意義について

学問バーKisiの店長に就任してはや一ヶ月。GWも終わったこの辺で、改めて所感などを書き連ねていきたいと思います。

4月1日の出勤初日には、「留年なんか怖くない!休学、再入学もバー」と題して営業しました。大学19年目と、経歴がもはや意味不明な店長が、あえて4月1日にこの話題でやろうとした企画。

そこへ5年生になってしまって…という風に相談に来られた方が。
こういう相談は、元来、大学の中で果たされてきたものでしょう。しかしコロナで大学のコミュニケーションが機能不全に陥ったのはご承知の通り。
そもそも、大学入学と同時に緊急事態宣言という世代の方。4年終えてみて、何かを修めた気がしなくて、ひとまず留年を決めたとのこと。
この方はさらに、店長に進路相談をしたいとまで言ってくださって、再来してくださいましたが、しかし19年大学にいてまだ出られないでいる人間が相談に乗って果して効果があるのか、というのはちょっと怪しいところでした。

さて本来、大学の中で片付いてきただろうこうしたコミュニケーションが、大学が機能不全となってうまく回らなくなったとして、この方は学問バーにそのコミュニケーションを求めてやってきたといえる、でしょうか。ちょっと自画自賛が過ぎるとも思いますが、学問バーとして店長が目指すのはそういう場です。
学問的な議論、学問のための、それに通じる議論を、大学から、あるいはインカレサークルなどの学生の連帯からすらも開いていく(そこでのコミュニケーションを否定するわけではもちろんありません。あくまでオルタナティブとして)。
コロナの打撃から大学内、インカレのコミュニケーションが再度立ち上がり切っていないとしたら、より一層、学問に関する議論を引き取っていく。

学問バーでは、学問的な中身の話については学術的な批判がありえますが、学問的たろうとする姿勢そのものの否定に遭うことなく、存分にアカデミックに議論できる、そういう場をつくっていきたいと思っています。
そうして、学問的たらんとする人たちの集うBarとして育っていけたら。

件の相談者の方は、大学院にまで進んで、「知識人」としてありたいとおっしゃっていました。「知識青年の存在様式」などと自身の研究テーマを設定している店長からすれば、真に天晴れという姿勢ですし、述べてきたような学問バーとしてのスタンスとしても、まさにうってつけの方だと思います。



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