4年「かつおぶし」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『4年「かつおぶし」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
伝統と文化の尊重・・・
4年生ともなると、
ちょっと深く踏み込んで
話し合いができそうですね。
大切にしたいのは、
「自分ごと」としてとらえることです。
今回の教材は、『かつお節』が題材で
とても身近なものです。
身近なことから伝統を
どのように考えていけばよいのか、
考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
3・4年の目標・・・・
我が国や郷土の伝統と文化を大切にし、国や郷土を愛する心をもつこと。
4年生「かつおぶし」(光文書院)
あらすじ
社会の時間に静岡県焼津市のかつおぶし工場の方がきて、お話をしてくださった。
・焼津市ではかつお節がたくさん作られていること。
・かつおを三枚におろして、骨や皮を丁寧に取り除くこと。
・何度も煙でいぶしてカビをつけて、太陽の光で乾かすこと。
・カビのおかげで、かつおのうまみがつまって、豊かな風味が生まれること。
・かつおぶしは世界で一番かたい食品と言われていること。
・昔の人が傷みやすいかつおを長持ちさせるために、いろいろな工夫がされてきたこと。
・かつおぶしには、かつおのうまみと日本人のちえがぎゅっとつまっていること。
いろいろな話を聞いたぼくは、夕食の準備を手伝った。
いつもと同じおみそ汁が、いつもより味わい深く感じられました。
2 内容項目と教材
この内容項目は、
「伝統を知って、大切にする心を養わないといけない」
「日本の文化について教えて理解させて、日本人としての心を育てないといけない」
などと、高い目標を考えてしまいます。
しかし、実際はそのような高い目標には45分の道徳では到達できません。
いえ、45分で到達すべきでないというべきでしょう。
10年という長い間生きてきた4年生が、たった45分の道徳で伝統についての考えを改めることができるはずがないのです。
「伝統を大切にする心を育てる」のではなく、「伝統を大切にする心はどんなものか」を話し合って追い求めるほうが現実的です。
「伝統を大切にする心はどんなものか」というと難しく感じますが、もっとざっくり言うと、日本の文化に興味をもつということです。
今回は「かつおぶし」が題材ですが、かつおぶしのことを全員大好きになりましょうなんて非現実的なことは言いません。
「かつおぶし」という昔から受け継がれてきた大切な文化があり、今でも続いている。
この理解があれば充分です。
そのかつおぶしについて考える過程が、「興味をもっている」ということになるのです。
では、授業はどのように展開していけばよいのか。
「ぼく」の心に注目しましょう。
ぼくは最後の場面で、みそ汁がいつもより味わい深く感じられています。
それはなぜでしょうか?
かつおぶし工場の方の話を聞いただけで、お母さんの作るみそ汁の味が変わるわけがありません。
「いつものみそ汁を美味しくする秘密の方法」を聞いたわけでもありません。
それは、かつおぶしについて興味をもち、味覚がかつおぶしに集中したからです。
しかし、集中したからと言って全てが美味しく感じられるわけではありません。
かつおぶしは多くの人の手間がかかっていること。
長年、多くの人が工夫を重ねて生み出した方法で作られていること。
日本人の知恵がつまっていること。
今まで当たり前のように食べていたかつおぶしが、自分の口に入るまでに多くの人の手を通ってきていることを知って、「ありがたみ」が増したのです。
特に、かつおぶしは『だし』で使われることも多いので、みそ汁のだしで使われていることは、普段は意識しないと忘れてしまいます。
いつもは見えていない『だし』のもととなっているかつおぶし。
それは、カビの力や工場の人の苦労があって、生み出されているうまみだ。
ただ味わうだけでなく、その背景も知って、さらに自分なりに想像を膨らますことで、かつおぶしに対する思いが増えていきます。
だから、いつもよりかつおぶしが美味しく感じられたのです。
ここから言えることは、これです。
・伝統・文化を知ろうとする気持ちが大切。
・知った上で自分なりの考えをもつことが大切。
・伝統・文化をつくった人の思いを考えることは、伝統・文化を尊重することにつながる。
まとめでも、これらのことが出てくると、いいまとめになりますね!
3 導入
T:教師 C:子ども
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