6年「その思いを受けついで」【生命の尊さ】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『6年「その思いを受けついで」【生命の尊さ】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
『生命の尊さ』は、今回の指導要領改定の目玉の1つで、
重点項目として扱われている教科書が多いです。
背景には道徳の教科化のもとになった
「いじめの問題」があります。
この『生命の尊さ』をとおして、
自分だけでなく、
身近な人や自然の命の尊さについて
深く考える経験をさせたいですね。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「生命の尊さ」
5・6年の目標・・・・生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し、生命を尊重すること。
6年生「その思いを受けついで」(日本文教出版)
あらすじ
「ぼく」には小さい頃からかわいがってもらった爺ちゃんがいる。
じいちゃんは入院していて、お母さんから「あと三ヶ月の命なのよ。」と言われた。
ぼくはそれから毎日じいちゃんに会いに行ってたくさん話をした。
じいちゃんはしゃべることもできなくなり、ぼくの手を握りながら天国へ旅立った。
じいちゃんのまくらの下には、しわくちゃになった「のしぶくろ」があった。
「お誕生日おめでとう。いつもお見舞いにきてくれてありがとう。
これからもずっと大ちゃんのことを見守っているよ。」
ぼくの誕生日は一ヶ月も先だった。
じいちゃんの思いがぼくの胸に押し寄せた。
2 内容項目と教材
「生命の尊さ」はDの視点です。
Dの視点は、生命、感動、自然愛護など抽象的なものが多いです。
ですから、他の視点に比べて、言葉にしにくいことが多いです。
まとめの段階では無理に言葉にしようとせず、子どもの考えた内容や余韻を大切にしてください。
「命は大事」という、すでに知っていることを「だから大事なのか!」と理解を深めるイメージです。
「ぼく」は、じいちゃんに小さいころからかわいがってもらったので、思い出がたくさんあります。
その思い出を思い出し、じいちゃんとの別れを寂しがっています。
ここで気になることがあります。
☆悲しいのは、「ぼく」だけでしょうか?
文脈から想像する限り、じいちゃんはお母さんのお父さんのようです。
と言うことは、小さいころからかわいがってもらって、長い時間を共に過ごしているのはお母さんですから、お母さんの方が悲しいのではないでしょうか?
そんな屁理屈を言って、子どもの思考を揺さぶると、「当たり前をひっくり返す」ことになるので思考が活性化されそうですね。
ここで大事なのは、命の重さの受け止め方は人それぞれ、と言うことです。
☆のような屁理屈を書きましたが、お母さんからおじいちゃんの命に対する思いと、「ぼく」からのおじいちゃんの命に対する思いは、どちらが大きい、どちらがいい、という話ではなく、それぞれが深くおじいちゃんの命について受け止めているのです。
そのことにたどり着くために、あえて☆のような発問をすることは、いじわるですが展開としてはアリです。
関係図を書いて、お母さんからおじいちゃんへの矢印と、「ぼく」からおじいちゃんへの矢印、どちらが太い?などと聞いてみると、比較して考えられるので、活発な議論になることでしょう。
命に対する考え方は人それぞれです。
祖父母と同居している子もいれば、核家族の子もいます。
それぞれが体験を通して、この教材の土俵の上で命について語ります。
どれも否定せず、受け止めたいですね。
また、Dの視点は特に言葉にすることが難しいですので、言語化は強要しない方がいいです。
「命ってどうして大切なの?」
「命はどうやって大切にしていくの?」
などと聞いても、満足いく答えは期待できないでしょう。
しかし、言語化できないから考えがない、というわけではありません。
命については理解をしているけど、うまく言葉にできない状態なのです。
ではどうすればいいのか?
☆のように屁理屈でいじわるな発問をすると、「それは違う気がする」と反論をします。
その反論の中に、命に対するキーワードが入っていることがあります。
また、その反論から新たな気づきが生まれるのです。
ストレートに命について考える発問ではなく、変化球が有効です。
ぜひ、下記の発問も参考に屁理屈発問にチャレンジしてみてください!
3 導入
T:教師 C:子ども
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