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1年「にっぽんのおかし」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『1年「にっぽんのおかし」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
この内容項目はなんとなくイメージがつきやすいですね。
以前の愛国心や郷土愛といった項目です。

国を愛する心、地域を愛する心、
先人がつくってきた伝統や文化を重んじる。

こう聞くと簡単なようですが、
実際の授業では「自分事」として
どのように捉えさせるかが
大きな壁となります。
「すごいな。自分とは関係ないけど。」
と浅い学びになってしまいがちなところが
この「伝統と文化~」の内容項目の
大きな注意点なのです。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
1・2年の目標・・・・我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつこと。


1年生「にっぽんのおかし」(日本文教出版)

「にっぽんのおかし」あらすじ

「わたし」は、お母さんと和菓子やさんに行きました。
金魚が水の中を泳いでいるようなお菓子を見て、
「かわいい!」とわたしは言いました。
するとお店の人が、
「日本の夏は暑いです。クーラーもなかった昔に、
 (和菓子は)少しでも涼しくなるようにと
 作られたんですよ。」と教えてくれた。
いろいろな写真も見せてもらった。

お母さんが「お菓子は、季節や行事によって変わるのよ。」
と言った。
わたしは金魚のお菓子を選んだ。
みんながなんと言うか、楽しみです。

2 内容項目と教材

・この教材で気を付けることは、
「和菓子の紹介」にならないことです。

・きれいな写真が並んでいるので、
たくさんの和菓子を教えたくなりますが、
それは道徳の授業ではありません。

・何を考えるのかと言うと、
和菓子を通して日本文化に興味をもっている
わたしとお母さんの心です。

・和菓子は日本が世界に誇る文化です。
食べてしまえば終わりのお菓子を、
目で楽しんで、味覚で楽しめる、
2度楽しめるものにしたものです。

・「わたし」は目の前の和菓子に興味をもちました。
それは、広くはこれまでの和菓子を作ってきた人や
和菓子の文化を受け継いできた人の思いも
「わたし」が受け取ったということなのです。

・『伝統』は、どこかの偉い人が、
大勢の人を使って「未来へ残そう」と
大々的に動いているのではなく、
我々のような一般の人が身近に感じ、
すばらしいと興味をもって
食べたり、体験したりすることで
受け継がれていきます。


・それが、目標にある
「郷土の文化と生活に親しむ」姿なのです。

・つまり、「わたし」が興味をもって
和菓子を見たり、
話を聞いたりしている姿、
まさしくそれが伝統文化に親しんでいる姿です。

・では、授業では
「『わたし』のように伝統文化に親しみましょう」
と言えばいいのでしょうか。


・なんだかそれは押しつけのような気がします。
そうではなく、教科書の最後にある発問。
「にっぽんにむかしからつたわるもので、
なにがすきかな?」
これについて具体的に考える活動がよいでしょう。

・例えば、七夕やひな祭りといった行事、
寿司や和菓子、そばなどの食べ物などを出し、
どれが好きかを伝えあう。

・その後、
「その興味をもって話す心が、
 親しむということです。
 日本のことを大切にしたいですね。」
としめれば、まとまった授業になる気がしませんか?

3 導入

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