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中学3年「花火と灯ろう流し」【我が国の伝 統と文化の尊重、国を愛する態度】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は
中学3年「花火と灯ろう流し」【我が国の伝 統と文化の尊重、国を愛する態度】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

「我が国の伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
この内容項目は、なんとなくイメージがつきやすいですね。
以前の愛国心や郷土愛といった項目です。
国を愛する心、地域を愛する心、
先人がつくってきた伝統や文化を重んじる。
こう聞くと、簡単なようですが、
実際の授業では「自分事」として
どのように捉えさせるかが
大きな壁となります。
「遠くの地域の遠くの人は、
そんな思いをしているんだな。」と
浅い学びになってしまいがちなところが、
この「伝統と文化~」の内容項目の大きな注意点です。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。


1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「我が国の伝統と文化の尊重、国を愛する態度」
目標・・・・・優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに、日本人としての自覚をもって国を愛し、国家及び社会の形成者として、その発展に努めること。

「花火と灯ろう流し」(東京書籍)

2 内容項目と教材

淑徳大学の新宮弘識先生は、次のように述べています。

伝統や文化の教育の要点
①国や郷土の伝統と文化の全てについて学習することには限界があるから、なんらかの伝統や文化を、子どもたちの生活意識に基づいて特定する必要があること。
②それが先人の努力によって今日まで継承されていたことを知ること。
③自分は国や郷土の伝統と文化の影響を受けて成長してきたことや、明日からもその影響を受けて生活していくであろうし、それを受け継いでいく必要があると理解すること。

つまり、
具体的であり(①)
永続的であり(②)
将来性がある(③)

ことを理解することが、大切なのです。

例えば、
『花火の本当のよさは、日本人でないと理解できないのだろうか。』
と聞いてみます。

この教材を読むことで、
子どもたちは花火や、日本独自の行事のよさを再認識することでしょう。
思いや意味を再認識した子どもたちは、
花火や年中行事に対して思いを強めたはずです。

では、それは日本の将来にどんな意味をもつのでしょうか?
花火や灯籠流しが好きな人は人のことを気にせずに突き詰めれば、
それでいいのではないでしょうか。

なぜ、年中行事は大事にしないといけないのでしょう。

それは、上述の③が強く影響しています。
花火や灯籠流しなど、年中行事を受け継いできた人たちの思い。
その思いを知った自分達が体験することで、
身をもってよさを実感できます。

行事の一つ一つに込められた思いを知って、
改めてよさを感じたり、考えたりすることは、
これまでその行事を受け継いできた人や歴史への
尊敬の念の表れだからです。

例えば花火が生まれて長い歴史で作られてきたもの。
それを今、現代で自分が体験することで、
「歴史をつないでいる」ことになるのです。

だから、花火を見たり
灯籠流しに参加したり、
年中行事を味わったりするときには、
過去と未来をつなぐ「今」を強く意識できるから、
自然と熱がこもってくるのです。

伝統について考えるときに押えておきたいポイントは
あと2つあります。

①他の伝統や文化と比較して考えない
日本の行事を「古臭い」と一蹴し、
外国と比較することは、
日本の歴史をないがしろにすることに
つながるからです。

②教材の世界に終始しない
花火と灯籠流しを通して、伝統・文化について考えますが、
それがあくまで教材の話。
自分の地域では、
花火や灯籠流しのような受け継がれてきたもの、
もしくは行事、人、場所などについて
思いをめぐらせられるようにします。

なにもこれは、歴史的に価値のあるものや
日本らしい伝統文化でなくても構いません。
学校の近くには、そういったものが
一切ないという方がほとんどでしょう。

伝統と言っても、
数十年、数百年続いているものでなくても構いません。
数年続いているものでも、
作った人や関わる人の思いを感じることはできるのです。

地域清掃、子ども会、スポーツクラブ、○○クラブ、
部活動や塾でもいいですね。
先人の努力や苦労の上に今があり、
今、自分がそれに関わることは未来につながる。

このように、「未来に目を向ける」ような
流れになると、授業がレベルアップしそうですね!

3 導入

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