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5年「流行おくれ」【節度、節制】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『5年「流行おくれ」【節度、節制】の授業はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

節度、節制は
道徳の代名詞といってもいいぐらい
大切な内容項目です。

なぜなら、子どもだけでなく
大人も完璧ではないからです。

「ちょっとぐらいならいいか」
「このぐらいならいいよね」と
自分の中の悪い心がささやきかけてくることは
だれにでもあります。

天使と悪魔が心の中にはいる、
そんなことが昔から言われています。
「節度、節制」はまさしく、
この天使と悪魔の言い争いのことです。

葛藤とも呼ぶでしょう。

「節度、節制」の本質を押えれば、
道徳の本質が見えてくると言っても
過言ではありません。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「節度、節制」
5・6年の目標・・・・
安全に気を付けることや、生活習慣の大切さについて理解し、
自分の生活を見直し、節度を守り節制に心掛けること

5年生「流行おくれ」(光村図書)

「流行おくれ」あらすじ

今度、学校で行く社会見学に、みどりは
新しいスカートを買ってもらって着る。


それを聞いたまゆみはうらやましくなり、
お母さんにねだるが、
「洋服なら何着も持っているでしょう」と
言われてしまう。

もやもやしていると
弟のわたるがまゆみの部屋の机から、
なにかを探しているようだった。
勝手に入ったことを怒ったが、弟は、
「昨日返してって言ったのに返してもらえなかった。
ぼくは本を買ってもらえなかったけど、
お母さんの『よく考えてね』という言葉を聞いて、
考えて図書館から借りてきた大切な本なんだ。」

まゆみは、ちらかった自分の部屋を見て、
母やわたるの言葉が気になりだした。

2 内容項目と教材

・節度と節制、この2つは、似て非なる言葉です。
簡単に言うと、節度はルール、節制はルールを守ろうとする心です。
「節度ある行動」という表現は、
「世間一般の常識からはずれない行動」ということです。

・教材ごとに、節度(ルール)について考えるのか、
節制(ルールを守ろうとする心)について考えるのか、
重きはどちらにあるのかを見極める必要があります。

・まゆみの場合は、特に節度の方に重きを置いたほうがよさそうです。
なぜなら、「流行に遅れないことが大切」という自分のルールがあり、
そのルールに対しては節制する心があるからです。

・こう聞くと、「え?」と思う人もいるでしょう。
しかし、まゆみは自分のルールのためなら、
母を説得しようとしたし、
あきらめた様子もありません。

・教材では、まるでまゆみはだらしのない女の子のように
描かれていますが、その前提を崩さずに授業をしては、
分かりきったことを聞く展開になりかねません。

・まゆみの行動は5年生として、
ふさわしいものとは言えないでしょう。
しかし、まゆみのよいところに目を向けて
発問や展開を考えると、
多面的・多角的な見方が広がりそうではないですか?

・この教材は、いくつか要素が絡んでいます。
①新しいものが欲しいまゆみ。
②母にとがめられて、あきらめられないまゆみ。
③母にとがめられて、違う方法を考えた弟。
④まゆみにも弟にも同じことを言う母。
⑤自分で選んだ方法だが、姉のせいで困る弟。
⑥借りた本を、姉に貸す弟。
⑦勝手に自分の部屋に入った弟を怒るまゆみ。
⑧自分を見つめ直すまゆみ。

・全てを扱う必要はないですが、
②③の違いは触れておいた方がよさそうです。
なぜ、同じことを言われているのに、
まゆみと弟は、行動が違ったのでしょうか。

・まゆみにはなくて、弟にある心とはなんでしょうか。
子どもと考えてみたいですね。

・繰り返しますが、
まゆみはだらしのない女の子だ、
という前提から抜け出すことが大切です。

3 導入

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