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中学1年「エルマおばあさんからの『最後の贈りもの』」【生命の尊さ】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は
中学1年「エルマおばあさんからの『最後の贈りもの』」【生命の尊さ】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

『生命の尊さ』は、指導要領改定の目玉の1つで、
重点項目として扱われている教科書が多いです。
背景には道徳の教科化のもとになった
「いじめの問題」があります。

この『生命の尊さ』をとおして、
自分だけでなく、
身近な人や自然の命の尊さについて
深く考える経験をさせたいですね。

今日の記事で考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。


1 教材について

D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「生命の尊さ」
目標・・・・生命の尊さについて、その連続性や有限性なども含めて理解し、かけがえのない生命を尊重すること。

「エルマおばあさんからの『最後の贈りもの』」(光村図書)
エルマおばあさんとの出会いは、1997年の夏に遡る。

私は、家に泊めてもらい、「13人目の孫」と呼んでもらえるほど可愛がってもらった。

エルマおばあさんが、血液のがんでもう長くは生きられないと知った時、私は、心から敬愛しているおばあさんの最後の日々を写真で記録しておきたいと、申し出た。
答えは、あんたは私の孫だから自由に写真を撮っても構わないだった。

私は、おばあさんの死が近づいた2ヶ月間、おばあさんの部屋に寝泊まりし、介護者の一人として、付き添いをした。

死の前日、エルマおばあさんは、目は私のほうを向いているのに、視線が私を通り抜けて、ずっと先を見ていた。
おばあさんは「今日がわたしの旅立ちの日なんだよ」と言った。

エルマおばあさんの最後は安らかでした。

死後、2週間立って、遺言どおり、おばあさんの遺灰を海にまいた。そして、盛大にシャンパンを開け、エルマおばあさんの八十五年の人生に乾杯した。

家族は、明るい締めくくりを迎えることができて、これは、おばあさんからの「最後のおくりもの」とよんで、今も感謝している。

2 内容項目と教材

生命の尊さ
「生命の尊さ」はDの視点です。
Dの視点は、生命、感動、自然愛護など抽象的なものが多いです。
ですから、他の視点に比べて、言葉にしにくいことが多いです。
まとめの段階では無理に言葉にしようとせず、
子どもの考えた内容や余韻を大切にしてください。
「命は大事」という、すでに知っていることを
「だから大事なのか!」と理解を深めるイメージです。

教材の順番の意味

この教材の配列に注目しましょう。
「生命の尊さ」は、Dの視点で「難しい」と感じる先生が多い内容項目です。
しかし、中学2年生の教科書で
終盤の30番目の教材として掲載されています。
この意味は、なんだと思いますか?

1年生の後半でで真剣に考えることで、
『命』について、真剣に考えてほしいという願いが込められているのです。

命を扱った教材は、決して簡単な教材ではありません。
だからこそ、終盤で扱うことで、
「命は尊いもの」「いじめは絶対にしてはいけない」
という意識を子どもたちに根付かせることが必要なのです。

エルマおばあさん=命のつながり

「生命の尊さ」は、つながりを意識できるようにしましょう。
人の命は、たくさんの人とつながっています。

この教材では、エルマおばあさんとその家族の場面が
メインで語られていますが、
自分も他の人も、命をつないでいることに気付き、
「命はつながっている」ということを実感させましょう。

様々な立場の人を通して
命の尊さも触れておきます。

あまり複雑には展開せず、次のような流れでまとめましょう。
・どんな命もつながっている。
・だから、みんなの命は大切。

このぐらいのポイントに触れられれば充分です。
いいまとめをしようとするよりも、
子どもが発言して議論をする時間を大切にしましょう。

3 導入

T:教師 C:子ども

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