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4年「お父さんのじまん」【伝統や文化の尊重】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『4年「お父さんのじまん」【伝統や文化の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

伝統と文化の尊重・・・
4年生ともなると、ちょっと深く踏み込んで話し合いができそうですね。

大切にしたいのは、「自分ごと」としてとらえることです。

身近なことから伝統をどのように考えていけばよいのか、解説します!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
3・4年の目標・・・・
我が国や郷土の伝統と文化を大切にし、国や郷土を愛する心をもつこと。

4年生「お父さんのじまん」(日本文教出版)

あらすじ
お父さんはよし子に聞きました。
「この町のじまんできるものは何だと思う?」
「梧陵(ごりょう)さんの堤防だと思うわ。」

江戸時代の終わり、大きな地震・津波が起こった。村の有力な商人だった浜口梧陵は、いなむらに火をつけ、村人に安全な場所を知らせました。このことで、多くの命が救われました。その後、梧陵は村人の力を借りて大きな堤防を作りました。村人は、「梧陵さんの堤防」と呼び、大切にしてきました。

「言うとおりだ。でももうひとつじまんできものがあると思う。」

よし子さんは『いなむらの火祭り』に参加をしました。
『いなむらの火祭り』とは、梧陵さんが放った火への思いを込めて、手にたいまつを持って行列をつくり、町の高台まで歩くお祭りです。大津波のときに村人がいなむらの火が燃えている場所を目指して避難した同じ道を歩きます。

祭り当日。
・交通整理をする人
・水の入ったボトルを用意して待っている人
・落ちたものを拾う人
・注意を呼びかける人

いろいろな人が祭りに関わっていた。また、メガホンを持って注意を呼びかける人は、よし子のお父さんだった。

よし子は思った。
お父さんのじまんは、この町の人かもしれない。

2 内容項目と教材

この内容項目は、
「伝統を知って、大切にする心を養わないといけない」
「日本の文化について教えて理解させて、日本人としての心を育てないといけない」
などと、高い目標を考えてしまいます。

しかし、実際はそのような高い目標には45分の道徳では到達できません。

いえ、45分で到達すべきでないというべきでしょう。
生まれて10年も経った4年生が、たった45分の道徳で伝統についての考えを改めることができるはずがない、と考えるほうが自然なのです。

「伝統を大切にする心を育てる」のではなく、「伝統を大切にする心はどんなものか」を話し合って追い求めるほうが現実的です。

「伝統を大切にする心はどんなものか」というと難しく感じますが、もっとざっくり言うと、地元の文化に興味をもつということです。

どんな地域でも、子ども会や夏祭りなど、地域の行事があるはずです。
『いなむらの火祭り』の教材をとおして、常に自分の地域のことと比べながら考えましょう。

・自分の地域の行事には、どんな人が関わっているのだろう。
・自分の地域の行事には、どんな思いが込められているのだろう。
・どんな思いで参加をしたらいいのだろう。
・これからもこの行事が続くためには、どんなことを大切にしたらいいだろう。
教材と自分を常に比較しながら考えましょう。


教材の世界に入り込んで、『いなむらの火祭り』についてだけを考えることもいいでしょう。
しかし、それだと「遠くの地域で、たくさんの人が、自分とは関係ないことをしているすごいこと」として捉えてしまいます。
実生活に生きる道徳的な価値を学ぶには、教材と生活を二人三脚で考えていきましょう。


昔からの道徳のセオリーとして、生活→教材→生活という流れがありました。
しかし、それはあくまで一例です。
授業の流れは型にはめるものではなく、教材や内容項目、子どもによって変わるものなのです。


つまりは道徳の授業はフリースタイル。
型にこだわらず、目の前の子どもに合わせて柔軟に授業展開をできるようにしましょう。

3 導入

T:教師 C:子ども

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