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1年『ふたりのゆうた』【節度、節制】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は教材解説です。
1年生「ふたりのゆうた」(日本文教出版)について解説をします。

この内容項目は「節度、節制」です。
『分かっているようで分かっていない』と
よく言われる内容項目です。
子どもが、じゃありません。
教師がです。
節度と節制の違いってなんでしょうか?
どちらが大切なのでしょうか?
そもそも、節度って何・・・?

今日は、これらのことについて、
考えていきましょう!

内容項目:A 自分自身との関わりに関すること
節度、節制
1・2年生の目標・・・健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをしないで、規則正しい生活をすること。

目次

1 内容項目と教材について
2 発問について
3 まとめ



1 内容項目と教材について

・この内容項目は、低、中、高どの学年で扱ってもタイムリーで、
どの発達段階でも有効なものです。
今回も、1年生の早い段階で扱われているので、
「1年生になったから、ちゃんとしよう!」という意識を
確かなものにすることができます。

・節度と節制、この2つは、似て非なる言葉です。
簡単に言うと、節度はルール、節制はルールを守ろうとする心です。
「節度ある行動」という表現は、
「世間一般の常識から外れない行動」ということです。
教材ごとに、節度(ルール)について考えるのか、
節制(ルールを守ろうとする心)について考えるのか、
重きはどちらにあるのかを見極める必要があります。

・といっても、大半は節制にスポットが当たった教材です。
今回の「ふたりのゆうた」も、
『1年生としてふさわしい行動』という節度と比較して、
守れていないゆうたの心(節制できていない心)が浮き彫りになっている教材です。
上の段のゆうたがいいのは自明なことですが、
「下の段はダメ、上の段はいい、だから上の段のゆうたみたいになろう」というまとめでは、
教科書をなぞっただけの、うわべだけの授業になってしまいます。

・節度、節制の授業では、「ちゃんとする」という言葉を授業の軸として扱うことをおすすめします。
導入で「ちゃんとするってどういうこと?」と聞き、
展開で「ちゃんとするとどんないいことがあるの?」と聞き、
まとめで「ちゃんとするために大切な心は?」と聞きます。

・節度や節制は、小学生にとっては難しいので、
日頃から家族など周りの人に言われているであろう、
「ちゃんとしなさい」「きちんとしなさい」という言葉を、利用するのです。
子どもの身近な言葉で授業を構成すると、
子どもの興味が高まったり、理解が深まるのは、明らかですよね!

・「どうしてちゃんとしないといけないの?」と聞くと、
子どもは「叱られるから」「人に迷惑がかかるから」と他人からの罰や迷惑があるから、
と理由を言ってくることがあります。
確かにそれもありますが、叱られるからきちんとしないといけない、は
もう一段階深く考えたいところです。
叱られなければ、何をしてもいいのでしょうか。
叱られたら、何をしてもいけないのでしょうか。
ちゃんとしないと、叱られる。
では、叱られない人は、ちゃんとしていないということですね?と逆説的に聞いてみると、
あれ?という疑問が生まれます。

・上段のゆうたは、どんないいことがあるのか、だけでなく、
下段のゆうたのよさも教師が示すことで、
「あれ、ちょっと待って。」と考え出す授業にすることができます。

2 発問

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