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4年「ヒキガエルとロバ」【生命の尊さ】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『4年「ヒキガエルとロバ」【生命の尊さ】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今日解説する教材は、いわゆる定番教材です。

定番教材は、長年教科書に掲載され続けていて、たくさんの実践がある教材です。

なぜ定番教材は定番なのか。
それは、道徳的価値が多い、もしくは深いものが多いからです。

考えれば考えるほど、まるでスルメのように味が出てきます。
定番教材だからといって恐れることはありません。

あなただけの視点を見つけて、教材を研究していきましょう!
今日の記事は、自分だけの視点を見つけるヒントになりますよ。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「生命の尊さ」
3・4年の目標・・・・生命の尊さを知り、生命あるものを大切にすること。

4年生「ヒキガエルとロバ」(日本文教出版)

あらすじ
雨上がりの畑道。
アドルフとピエールたちが、ヒキガエルを見つけて石をぶつけて遊んでいた。
どろんこ道の車のくぼみへ転がりほっとするヒキガエル。
すると、そこにロバが荷物を引きながらやってきた。
そのまま進むとくぼみにいるヒキガエルをひいてしまう。
おもしろがって見つめるアドルフたち。
1歩1歩近付いてきたロバはふとヒキガエルに気付き、歯を食いしばって荷車の向きを変え、ヒキガエルを助けた。
アドルフたちは、くぼみの中のヒキガエルと遠く去っていくロバを見つめていた。

2 内容項目と教材

4年生日本文教出版の教科書では、「生命の尊さ」は重点項目です。
前回の「あなたの時間にいのちをふきこめば」
今回の「ヒキガエルとロバ」
さらに3回目に「かわいそうなぞう」があります。

3回かけて「生命の尊さ」について考えを深めていってほしいという教科書会社の思いが込められています。

前回の「あなたの時間にいのちをふきこめば」では、次のようなまとめをしました。

・命は、自分のためだけにあるのではない。
・命は、たくさんの人に見守られている。
今回の授業のポイントは2つです。
①前回のまとめが、今回もあてはまるか考える。
(あてはまらなかったから✗というわけではない。)
②命についての新たな視点を考える。


この2つを意識して授業を組み立てましょう。


さらに具体的な授業の組み立て方を考えます。


アドルフ(以下、ピエールも含む)は、ヒキガエルに石を投げて、いやがらせをしていました。
対して、ロバは疲れているにも関わらず力をふりしぼってカエルをよけて助けました。


この2人(1人と1匹)の命に対する考え方を『比較』できるような板書にしましょう。


アドルフは、カエルに対して暴言をはきました。
また、カエルが逃げた先がロバの通り道だったので、そのまま見てカエルが馬車にひかれるのを見ようとしていました。
なんともひどい話です。


ここで発問が出てきます。
・アドルフは、命を大切に思っていないのでしょうか?
・もし大切に思っていないとしたら、友達に石をぶつけてもおかしくないのではないか。
・ロバには石を投げないのか。
・アドルフは悪い子か。


どれも、子どもたちがどんなことを言ってくるかワクワクしますね。


対して、ロバはヒキガエルを助けました。
疲れているのに助けた。
ということは、ヒキガエルの命を大切に扱っていることにちがいありません。


このことから、アドルフとロバ、それぞれのヒキガエルの命に対する考えを比べていくようにしましょう。
また、「アドルフは悪い子か。」という発問は、視点を変える発問です。
教材をスーッと読むと、アドルフはとても悪い子のように思えます。
ヒキガエルをいじめているのですから当然です。


しかし、その前提をいったん立ち止まって考え直すことで、新しい見方が生まれます。
「アドルフは悪い子か。」が難しければ「アドルフのよいところはどこだろう。」でもいいですね。
アドルフのよいところを考えてみましょう。


子どもはいくつか見つけてくるでしょう。
わたしからは1つだけお伝えします。


アドルフのいいところは、「ロバの優しさに気づく心」です。
教材は最後まで描写されていませんが、最後はアドルフは去っていくロバを見つめています。


きっと、心の中では
・自分はひどいことをしてしまった
・ロバはつかれている体をふりしぼってカエルを助けたのに・・・・
と後悔していることでしょう。


後悔するということは、自分の行いをふり返ることができるということです。
短い時間の中で、他人(ロバ)の行為を見つめて、自分の行いをふり返ることができる。
これはまぎれもない長所だと言えるでしょう。


あくまでわたしの視点ですが、アドルフのよいところを、このように考えてみたいですね。

3 導入

T:教師 C:子ども

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