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3年『水族館ではたらく』【勤労】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『3年『水族館ではたらく』【勤労】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

勤労、つまり働くことの意義を考えます。
働くというと、
給与が発生する仕事を思い浮かべますが、
それだけではありません。

子どもにとっても「働く」ことは
身近な物です。
例えば係の仕事、給食当番、委員会などです。

また、働いたらお金をもらう労働もありますが、
ここではもっと広く、ボランティアなどの
無償の労働も含みます。

そう考えると、働くって広い意味がありますね。

働くことはどんな意味があるのでしょう。
本当の仕事とは、いったいなんでしょう。

今日は仕事について考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「勤労、公共の精神」
3・4年の目標・・・・
働くことの大切さを知り、
進んでみんなのために働くこと


3年生「水族館ではたらく」(光村図書)

あらすじ

わたし(加登岡愛実)の仕事は、水族館の飼育員です。

8歳のときにイルカのショーを見て、わたしもああなりたいと思ったからでした。

毎日、イルカだけでなく、カワウソ、ペンギンなど様々な動物を飼育しています。
ご飯を与えたり、掃除をして体調管理をしています。
お客様が楽しく動物を見たり触れ合えるプログラムも作っています。

動物たちをよく観察して、安心して過ごせるにはどうしたらいいかも研究しています。
世界中で少なくなった動物の繁殖もしています。

イルカは、ひとなつっこい動物ですが、具合が悪くても言葉で話せません。
だから、動物たちの特徴を知って、過ごしやすい環境を作っていくことが必要だと考えています。

わたしは「飼育員になるには、どうすればいいですか?」と聞かれると、
私の仕事の意味がわかってもらえたようで、嬉しくなります。

2 内容項目と教材

・この内容項目の目標は、
『働くことの大切さを知り、
 進んでみんなのために働くこと』とあります。


・「進んでみんなのために」ですね。
積極的に係活動などに取り組むことは、
「進んでみんなのために」です。

・では、先生にほめられたいから、
係活動に積極的に取り組むことは、
本当に働いていると言えるのでしょうか?

・自分がすごいところを自慢したいから、
係活動に積極的に取り組むことは、
本当に働いていると言えるのでしょうか?

・もちろん、仕事に対する動機は人それぞれですから
これらが否定されるものではありません。
でも、もっと大切にするべき仕事の意義がありそうです。

・それが、目標の前段、
「働くことの大切さを知り」なのです。

・自分のしたこと(仕事)が、
だれに、どのように、役に立っているのか。
仕事をすることは、
自分にとってどんないいことがあるのか。
これらの意味を、この教材を通して考えることが、
授業の核になります。

「よい未来を想像して働く」ことは、
どの仕事にも言えます。
子どもの給食当番、一人一役、係活動、委員会活動など、
全てに共通して言えるのは、
「やったらおしまい」ではなく、
「自分の活動によって、助かったり楽になったり楽しくなったりする人がいる」
ということです。
この未来を想像する力、すなわち想像力が勤労には大切なのです。

・授業では、未来のことを具体的に考えてみたいですね。
動物たちが、快適に過ごせる環境になったら、加登岡さんはどんな気持ちになるだろう、と。

・では、
「動物たちにとって環境が良くなればいいのだから、
文句を言いながら働いても同じだから、
文句を言いながら仕事をしてもいいのか?」という疑問が浮かんできます。
間違いなく、これは×ですが、なぜ×なのでしょうか。

それは、「今」という瞬間も、「いい未来」に含まれているからです。
今、明るい気持ちでなければいい未来はない。
だから、いい未来をつくるためにはいい『今』が必要なのです。
これも、子どもと一緒に考えてみたいところですね。

・仕事には社会的意義、文化的意義など多くの意義が含まれていますが、
3年生の段階では詳しくは触れなくてよいでしょう。

・それよりも、自分の仕事はどんな未来につながるのか、
教材という1つの事例を掘り下げていくことで、
自分の係などの仕事に対しての想像力も変わるきっかけになるでしょう。

・中学年は、抽象的なものはできるだけ避けて、
具体例で一点突破する方が有効なことが多いです。

3 導入

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