4年「五百人からもらった命」【生命の尊さ】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『4年「五百人からもらった命」【生命の尊さ】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
『生命の尊さ』は、今回の指導要領改定の目玉の1つで、
重点項目として扱われている教科書が多いです。
背景には道徳の教科化のもとになった
「いじめの問題」があります。
この『生命の尊さ』をとおして、
自分だけでなく、
身近な人や自然の命の尊さについて
深く考える経験をさせたいですね。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関することD 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「生命の尊さ」
3・4年の目標・・・・生命の尊さを知り、生命あるものを大切にすること。
4年生「五百人からもらった命」(光文書院)
あらすじ
今から40年以上前、福井の病院から福井放送局へ電話が入った。
「血液を全部入れ替えなければ命の危ない患者がいる。血液型はB型。献血を呼びかけてもらえませんか?」
ラジオ、テレビでこのことが繰り返し流された。
まもなく電話がひっきりなしになり、次々と人がかけつけた。
患者の命を救いたいと願って献血を申し出た人は、500人を上回った。
患者は数日後、輸血の必要がないほどまでに回復をした。
2 内容項目と教材
Dの内容項目のポイントは、「無理に言葉にしない」こと。
Dは「感動」「生命の尊さ」「自然愛護」など、抽象的なものばかりです。
無理に言葉にしても、安っぽいものだったり、浅い言葉になったりしてしまいます。
だから、まとめのときには、無理に言葉にする必要はありません。
それよりも、すでに知っていることについての理解を深めるようにしましょう。
今回の「生命の尊さ」なら、「命は大事」ということはすでに子どもは知っていることです。
しかし、議論をすることで新たな視点に気付くことで、「だから、命は大切なんだ」と気付けるようにすることが大切です。
すでにある理解という道を、太くする工事をするという感じでしょうか。
患者の命は、献血を申し出た人によって支えられ、命がつながりました。
板書は、「持ち上げ型」が有効かもしれません。
患者の1つの命は、多くの人の手によって支えられている。
そのことが視覚的にわかる板書にしましょう。
板書はこんな感じ。
ところで、実際に献血をして患者の命を救ったのは、500人の献血希望者のうちの数名でしょう。
ということは、残りの500名弱の人は、患者に直接は「何もしていない」ことになります。
果たしてこれで、「命をあげた」と言えるのでしょうか?
子どもに聞いてみたいところですね。
きっと、「命をあげた人たちに間違いない」と言うでしょう。
500人の希望者は、誰が献血をしてもいい気持ちで希望したわけですし、献血を実際にしたか、していないかは関係なく、「患者を救いたい」と言う思いは同じだからです。
また、156ページの下に小鳥がつぶやいています。
「患者を救ったのは、献血を申し出た人たちだけでしょうか。」
この発問を起点として、板書の「支える人」を増やしていきたいですね。
患者を救った人は大勢いると考えられます。
・献血を申し出た人
・お医者さん
・看護師さん
・放送局のスタッフ
・献血を申し出た人の家族
・放送原稿を読んだ人
・献血を申し出た人に、昔献血をした人
・献血を申し出た人に、昔手術をした病院の医師・看護師
このように考えると、命は多くの人の思いで支えられており、支えられているだけでなくつながっていることも見えてきます。
このように、多くの人に支えられている、多くの人とつながっている命は、自分も同じだと気づくと、「だから命は大切なんだ」と、ストンと理解ができます。
授業をこのように展開すると、「納得解」が生まれそうですね!
道徳は「正解」ではなく「納得解」を見つけるようにしましょう!
3 導入
T:教師 C:子ども
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