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4年「みんなのためにできること」【勤労、公共の精神】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『4年「みんなのためにできること」【勤労、公共の精神】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今日のテーマは勤労です。
つまり仕事のことですが、

子どもにとっても仕事は
身近なものです。

係の仕事、一人一役、
家庭での家事分担など、

子どもの仕事は
そのほとんどが無償のものですが、
働くことの意味や意義は
大人のそれと変わりません。

仕事とはなんなのか、
考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「勤労、公共の精神」
3・4年の目標・・・・
働くことの大切さを知り、進んでみんなのために働くこと

4年生「みんなのためにできること」(光文書院)

あらすじ

ぼくたちはこの頃、朝いつもより早く登校して、裏門の周りを掃除します。

きっかけは4年生になってすぐのことだった。
先生が、「皆さんは4年生になりました。これからは上級生として、みんなのために何ができるかを考えましょう。」とおっしゃいました。

それでぼくたちは、裏門を掃除することにしました。

朝早く登校するのはちょっとつらいし、遊びたいという気持ちもあった。
でも今はちがう。

登校する人に声をかけてもらうと気分がいい。
それに、みんなのために役立っていると思うと、うれしいようなてれくさい感じがする。

2 内容項目と教材

勤労とは、辞書で調べてみると

賃金をもらって、一定の時間内、ある仕事をすること。また、勤めに骨を折ること。

とあります。

しかし、賃金の発生しない勤労もありますね。
ボランティアや、子どもの活動です。
この内容項目では、辞書の意味を越えた捉え方が必要になります。

今回の教材は、「勤労」というよりは「公共の精神」に重きを置いて考えたほうがすっきりするでしょう。

4年生は、小学校に入学して初めて、「先輩」よりも「後輩」が多くなる学年です。

4年生にとって先輩は5・6年生、後輩は1〜3年生ですよね。
1〜3年、4〜6年という区切りでも、半分より上に初めて位置するので、4年生は「上級生」「上学年」と呼ばれるのです。

この教材は新年度の道徳2時間目に扱うことが多いでしょうから、4年生としての自覚を高めるためには、うってつけの教材です。

それを狙って、この教材は序盤に配当されています。

教科書会社のねらいに、ぞんぶんに乗っかりましょう(笑)


「ぼく」たちは4年生になって、先生の話を聞いて張り切って裏門の掃除をすることになりました。
上学年になって自覚がついている姿ですね。

そして、意気揚々と始めますが、「言うは易く行うは難し」とうことわざのとおり、勢いで始めましたが、「しかたなしに」やっている思いが出てきます。

始めたころのモチベーションは、「4年生だから、ふさわしい活動をしよう」でした。
しかし、4年生だからこそ、たくさん遊びたいし、できればゆっくり登校したい。

最初のモチベーションは、次第に薄れてきます。

しかし、また新しいモチベーションが生まれます。

それは、「みんなからの認識」です。

「いつもご苦労さま」と先生が声をかけてくれたり、
「おはようございます。」とあいさつをしてくれる人がいる。

自分たちのやっていることは、多くの人に認められているし、役に立っている。

その認識が、「また頑張ろう」という活力を生むのです。

「4年生だから頑張ろう」という自発的なモチベーションは素晴らしいですが、子どもたちはなかなかそれだけでは続きません。

よく子どもたちは、「○○をします!」と意気揚々と新しい係や企画を始めますが、次第にその熱は冷めて、「あれはどうなったの?」と聞きたくなることがあります。

それは、「自発的モチベーション」だけで始まり、「みんなからの認識」が得られなかった典型的な例でしょう。

いいことは、「いいね!」と認めてもらうことが、次への活力・モチベーションとなるのです。

だから、「ほめられるためにしよう」と言いたいわけではありません。

「4年生らしく、みんなのことを考えてやった仕事なら、どんな仕事も、誰かの役に立っている。」

このことがまとめとしてできると、いい授業になりますね!

こういった教材を扱うと、子どもや授業者も時々感化されて、「よし、うちの学校でも校門の掃除を毎朝しよう!」となりますが、それはちがいます。

掃除をすること自体は悪いことではないのですが、ただの真似で終わってしまい、その行為にある本当の道徳的価値を見過ごしています。

学校のことを考えて、4年生として今自分ができることを考えて取り組むこと。

それが大切なのです。

・校門などの掃除

もそうですが、

・廊下を歩く。
・提出物を忘れずに出す。
・発表の回数を増やす。
・苦手な教科に積極的に取り組む。

などといった目標でもいいのです。

大切なことは、「4年生として自分が学校のために大切だと思うことを、一生懸命やる」

これです。

なにも、新しいことを始める必要はありません。

今まで何気なくやっていたことを、しっかり取り組むだけでも、十分価値のあることなのです。

3 導入

T:教師 C:子ども

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