はしの上のおおかみ

1年生『はしの上のおおかみ』の指導案はこうする!

今日は道徳の教材について詳しく書きます。
多くの教科書に掲載されている
『はしの上のおおかみ』
この教材についてお話し、
あなたのこれまでの授業を変える
道徳イノベーションを起こします!

『はしの上のおおかみ』は
全ての教科書会社で取り扱われている
定番教材です。
知っている人、実践された人、
研究授業でしっかりと研究した人もいることでしょう。
今日は、これまでにない新しい切り口で
『はしの上のおおかみ』を
解説していきます。

目次です。
・「親切、思いやり」は重点を決める
・発問例
・役割演技
・板書は「関係整理型」
・教材を「多面的」に見て,親切を「多角的」に見る

では本題です。

「親切、思いやり」は重点を決める

『はしの上のおおかみ』の内容項目は
「親切、思いやり」です。
親切と思いやり、この2つの違いについては別な記事でお話ししていますので、
詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

簡単に言うと、
親切は行為、思いやりは心です。
親切な行動、とは言いますが
思いやりの行動とは言いません。
「思いやりのある」行動と言いますよね。
つまり思いやりは心です。

この内容項目は、
どちらか重点を決めて授業をしましょう。
つまり、
「親切」か「思いやり」か
重点はどちらなのか、教材から考える
ということです。

「親切、思いやり」の教材は
その両方を追究するようにはなっていません。
どちらかに軸足が必ず置かれています。
それをどちらなのか、考えましょうということです。
『はしの上のおおかみ』では、
「親切」に重点が置かれています。
ここでは,親切を重点として話を進めて行きます。

かといって、「思いやり」に重点を置いて
間違いと言うわけではありません。
「授業者が重点を決める」ことが大切なのです。

発問例

次に、発問例を挙げます。

まずは子どもの思考を狭める
「場面を区切る発問」です。

【場面を区切った発問】
・おおかみがうさぎにどなった時、どんな気持ちだっただろう。
・くまに会った時、おおかみはどんな気持ちだっただろう。
・くまに持ち上げられた時、おおかみはどんな気持ちだっただろう。
・うさぎに2回目に会った時、おおかみはどんな気持ちだっただろう。

これらは、子どもの思考を狭める発問です。
それぞれの質問で、異なる3つの視点から意見を言えますか?
ある程度答えの幅が限定される発問になっていませんか?
これらの発問は、
結局のところ、子ども達は同じようなことを言うだけの
言葉遊び的時間になり、道徳性が深まりません。
考えるのは簡単ですが、
その分、浅い意見しか期待できないでしょう。
場面を区切ると、考えやすくなり
発表はしやすいですが、
道徳性を深めることは難しくなります。

では、次に、
教材全体を捉えて、
多面的・多角的に考える発問を紹介します。

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