2年「きつねとぶどう」【感謝】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『2年「きつねとぶどう」【感謝】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
昨日に続いて「感謝」の記事です。
結論を言うと、感謝の思いは、『具体的事実』を知ることで生まれるものです。
だから、授業では教材の中でどんな人に支えられているのかという具体的事実、生活の具体的事実を知ることが大切です。
どのように展開していけばいいのか、今日の記事で考えていきましょう。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
B 主として人との関わりに関すること
「感謝」
1・2年の目標・・・・家族など日頃世話になっている人々に感謝すること。
2年生「きつねとぶどう」(日本文教出版)
あらすじ
山の中にきつねの親子がいました。
お腹の空いた子ぎつねのために、お母さんきつねは山を越えてぶどうを取りにいきました。
無事にぶどうを取って帰ってきて、巣の目の前で、猟師が犬を連れてすぐそこまで来ていることに気付きました。
「逃げなさい」と大きな声で子ぎつねに言って、子ぎつねはなんとか逃げました。
それから数年が経ちました。お母さんきつねはとうとう帰ってきませんでした。
大きくなった子ぎつねが、昔お母さんと住んでいた巣の近くへやってきました。
そこには1本のぶどうの木が生えています。
「こんなところにぶどうの木があったかな」
そう思いながら子ぎつねはそのぶどうを食べているとお母さんの声を思い出しました。
子ぎつねはどこにいるかわからないお母さんにお礼を言いました。
「お母さん、ありがとう。」
2 内容項目と教材
定番教材で、名作教材ですね。
教材がもつ力はとても大きいです。
読むだけで胸が熱くなり、満足する作品です。
しかし、気をつけないといけないことがあります。
こういった感動する教材は「深入りは禁物」となぜか作品の世界観を壊さないように、丁重に扱いすぎてしまうのです。
自分で読書の時間に読むのであればそれでいいのですが、道徳ではそういうわけにはいきません。
また、この教材は家族にスポットが当たっていますが、内容項目は「家族愛」ではありません。
『感謝』です。
低学年は「家族愛」と「感謝」の区別が難しいですが、分けて考える必要があります。
目標のちがいを見てみます。
家族愛・・・父母、祖父母を敬愛し、進んで家の手伝いなどをして、家族の役に立つこと。
感謝・・・家族など日頃世話になっている人々に感謝すること。
よく似ていますね(笑)
でもよく見てみると、ちがいがわかってきます。
「家族愛」は、役に立つという具体的な行動を目標にしています。
対して「感謝」は、文字通り感謝する、という心を目標にしています。
つまり、「感謝」は思いを馳せることがゴールなのです。
しかし、「感謝をしましょう」なんて言っても、それは作られた結論であり、道徳のまとめとしてはふさわしくありません。
そうではなく、授業では「感謝を生む心」について考えましょう。
では、なぜ子ぎつねは、ぶどうを食べてお母さんへの感謝の思いが生まれたのでしょうか。
・お母さんはぶどうを取りに行ったこと。
・「逃げなさい」と言ったこと。
・数年会っていないこと。
・今までにない場所にぶどうの木があったこと。
・ぶどうの実がたくさん実っていること。
これらのことから、子ぎつねは、お母さんが死んでその場所にお母さんが取ってきたぶどうが根を張り、木になったことを悟ったのです。
2年生にはここまで命について言及する必要はありません。
お母さんが命を引き換えにしてまで、ぶどうを届けてくれた。
この程度で十分ですし、あえて触れなくてもいいです。
「生命の尊さ」の内容項目も触れることになり、視点が多面的になりすぎるので、「感謝」に十分触れられたら、こちらにも触れるというぐらいで大丈夫です。
感謝の思いは、具体的な事実を知ることで生まれます。
お母さんが子ぎつねのためにしたことが視覚的にわかる板書だと、理解が進みやすいですね。
上にも書きましたが、お母さんが子ぎつねにしたことは、次のとおりです。
・山を越えてぶどうを取りに行った。
・自分も危ないのに「逃げなさい」と子どもに行った。
・美味しいぶどうを食べさせてくれた(数年後)
全て、子どものことを思っての行動です。
具体的なことを知ると、感謝の思いが出てくるのですが、これだけでは教材から抜け出せていません。
教材をなぞると同時に、自分の身の回りの人についても考えられるといいですね。
・家族は自分のためにどんなことをしてくれているか。
・家族はどんなことを自分に思っているのか。
これらを、教材と同時に考えてみてください。
すると、お母さんきつねと、自分の家族の思いが共通する部分が見つかりそうですね。
子どもの成長を願う心が様々な行動で表されていることに気づくと、自然に感謝の念は生まれてきます。
3 導入
T:教師 C:子ども
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