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3年「ふろしき」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『3年「ふろしき」【伝統と文化の尊重】の授業はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

伝統と文化の尊重・・・
3年生ともなると、
ちょっと深く踏み込んで
話し合いができそうですね。

大切にしたいのは、
「自分ごと」としてとらえることです。

今回の教材は、風呂敷が題材で
とても身近なものです。

身近なことから伝統を
どのように考えていけばよいのか、
考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
3・4年の目標・・・・
我が国や郷土の伝統と文化を大切にし、
国や郷土を愛する心をもつこと。


3年生「ふろしき」(日本文教出版)

「ふろしき」あらすじ

わたしは、たんすから1枚の布を見つける。
お母さんから、「これは『ふろしき』というのよ。」
と教えてもらった。

ふろしきはいろいろなものが包める。
重箱、びん、すいかなど、
包む物に合わせて形を変える。
ふろしきで包むと、中のものが大切なものに思えてくる。

わたしはふろしきを使ってみたくなりました。
そして、もっといろいろな使い方ができないか、
友達と話してみたくなりました。

2 内容項目と教材

・この内容項目は、
「伝統を知って、大切にする心を養わないといけない」
「日本の文化について教えて理解させて、
日本人としての心を育てないといけない」
などと、高い目標を考えてしまいます。

・しかし、実際はそのような高い目標には
45分の道徳では到達できません。

・いえ、45分で到達すべきでないというべきでしょう。
9年生きてきた3年生が、たった45分の道徳で
伝統についての考えを改めることが
できるはずがないのです。

・「伝統を大切にする心を育てる」のではなく、
「伝統を大切にする心はどんなものか」を
話し合って追い求めるほうが現実的です。

・「伝統を大切にする心はどんなものか」
というと難しく感じますが、
もっとざっくり言うと、
日本の文化に興味をもつということです。

・今回は「風呂敷」が題材ですが、
風呂敷のことを全員大好きになりましょう
なんて非現実的なことは言いません。

・「風呂敷」という昔から受け継がれてきた
大切な文化があり、今でも続いている。
この理解があれば充分です。

・その風呂敷について考える過程が、
「興味をもっている」ということになるのです。


・では、授業はどのように展開していけばよいのか。
「わたし」の心に注目します。

・なぜ、「わたし」は風呂敷に興味をもったのでしょうか。
珍しいから?
古くさいから?
いろいろな使い方ができるから?

・現代では紙袋やエコバック、ビニール袋などと
物を包む物はたくさんあります。
しかし、「わたし」は風呂敷に魅力を感じたのです。

・その要因としては、本文にもある
「包む物を大切にしている」という
物を大切に扱う心そのものが
「風呂敷」であること。

・また、お母さんが「わたし」に
風呂敷のよさを教えてくれているのも
大きな要因です。

・お母さんが説明してくれなければ、
「わたし」はただのスカーフだとしか
認識しなかったのです。

・このことから、伝統と文化の心は
①興味をもつこと
②先人の知恵や思いやりを感じられること
③伝えてくれる人がいること

・これらの要因があるといいことがわかります。
つまり、授業ではこの①~③が
子どもの発言から出てくると
いい流れになります。

・目標は「大切にする」「愛する心をもつ」ことなので、
①が触れられれば充分ですが、
②、③について考えることもタブーではありません。

・「興味をもって、自分が使ってみる(体験してみる)」
このようなまとめに収束すれば、
いい授業のシメになるでしょう!


3 導入

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